写真はイメージです Photo:PIXTA
現在、韓国の合計特殊出生率は0.75。世界最低レベルの少子化の背景には、急激な社会の変化から醸成された男女の対立があるという。女性の権利拡大が声高に叫ばれる状況の中で、普通の若者たちはどのように感じているのか。彼らの証言をもとに、「韓国が恋愛しにくい国になった」背景を解き明かす。※本稿は、ノンフィクション作家の菅野朋子『韓国消滅の危機 人口激減社会のリアル』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
ストレスの多い社会で
出産に躊躇する韓国人
「私は産みたいっていう思いがなければあえて産まなくてもいいんじゃないかなって思っています。うちは一家でキリスト教徒なので、幼い頃から結婚して子どもを産むことが当然だと言われて育ちました。
でも、実際に結婚して、子どものことを真剣に考えると、産むも産まないも国がキャンペーンを張って言うようなことではなくて、個人の選択だという思いが強くなりました。こんなストレスの多い社会で子どもを産むことが本当にいいことなのでしょうか」
そう語る李サラン(36歳、仮名)は1988年、ソウル夏季オリンピックの年に生まれた。映画関係の会社で働いている。隣に座る宋昌浩(38歳、仮名)も同じ業界で働いており、李が29歳の時に結婚した。
韓国のキリスト教徒はプロテスタント、カトリック合わせて31%ほどいる(韓国リサーチ『2024年 宗教認識調査』)。大きな教会には、日曜日ともなると、礼拝のために信者が集まり、教会の近くには地方から訪れる信者を乗せたバスが何台も駐車している。
40代の知人夫婦は共にプロテスタント。中学生と小学生の子どもを連れて毎週礼拝に通う敬虔(けいけん)な信者で、子どもたちの結婚相手も同じ教会の出身者がいい、などと気の早い話をする。







