フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

クルマに詳しくない人でも、きっと見たことがあるのがフォルクスワーゲンの通称「ワーゲンバス」。フロントに大きな「VW」の丸いロゴが入り、コロンと丸っこい車体。キッチンカーなどとして使われていることも多い、とても可愛いクルマです。そのワーゲンバスを電動化し、新しいデザインにして2020年代に復活させたのが今回から紹介する「ID.Buzz」。どこが変わり、どこは変わらないのか、フェルさんが東京→苗場→湯沢→新潟→東京とたっぷり走って確認してきました。さらに、ガソリン車のワーゲンバスとの比較、過去のワーゲンバスの代表的なモデルなど、写真盛り盛りで紹介します。(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)

宮崎で夏休み。真空管でレコードを聴き、神社を巡る

 みなさまごきげんよう。
 フェルディナント・ヤマグチでございます。
 今週も明るく楽しくヨタ話からまいりましょう。

 宮崎で少し長い夏休みを取っております。

 週末はクルマ関係のおふたりが、拙宅に遊びに来てくださいました。ジムニー界では知らぬ者のないプロショップ、APIOの河野さんと、フェル号も様々な形でお世話になっているVWとAudiに特化したプロショップ、maniacs STADIUMの山下さん。

APIOの河野社長とmaniacsの山下社長。遅くまでクルマ談義で盛り上がりましたAPIOの河野社長とmaniacsの山下社長。遅くまでクルマ談義で盛り上がりました Photo by Ferdinand Yamaguchi

 今回のテーマは「真空管でレコードを聴く」と「神社巡り」。

 お気に入りのレコードを何枚か持ってきていただき、片端から聴いていきました。今回のベストは、河野さんが持参されたレッドガーランドのマンティカでしょうか。古いシステムと最高に相性が良く、特にパーカッションの響きが最高でした。

レコードは良いですね。これから徐々に集めていこうと思いますレコードは良いですね。これから徐々に集めていこうと思います Photo by F.Y.

 こちらは拙宅からクルマで五分ほどの、江田神社裏にある「御池」。イザナキが黄泉の国から戻り、穢れを祓うために禊ぎをした場所といわれています。睡蓮の花が開くのは午前中の限られた時間のみ。良いタイミングで訪れることができました。

江田神社の裏にある「御池」。ボランティアのガイドさんに、江田神社にまつわるエピソードを1時間ほど伺いました。勉強になりました江田神社の裏にある「御池」。ボランティアのガイドさんに、江田神社にまつわるエピソードを1時間ほど伺いました。勉強になりました Photo by F.Y.

 夜は宮崎の街に繰り出して、新しい大将の新生「ひとつ」へ。新たに板を任されたのは、一心鮨向陽で修行を積んだ河原優太くん。

「ひとつ」の大将、河原優太くんと(左から2番目)。おいしゅうございました「ひとつ」の大将、河原優太くんと(左から2番目)。おいしゅうございました Photo by F.Y.

 ということで本編へとまいりましょう。今回お送りするのは、どこへ行っても写真を撮られまくる、注目度ナンバーワンの電気自動車。フォルクスワーゲン「ID. Buzz」の試乗記であります。

フォルクスワーゲンで最も注目度が高いクルマ「ID.Buzz」

 ディーゼルゲート事件※の“やらかし”以降、フォルクスワーゲンの出すクルマの中で、これほど前評判の高かった車種はないだろう。電動のワンボックス「ID. Buzz」である。

フォルクスワーゲンのミニバンEV「ID.Buzz」(広報写真)フォルクスワーゲンのミニバンEV「ID.Buzz」(広報写真)

※ディーゼルゲート事件…2015年に発覚した排ガス不正問題。フォルクスワーゲンはディーゼル車に違法ソフトウェアを搭載し、検査時のみ排ガス規制をクリアする仕組みを導入。実際の走行時は基準値を大幅に超える有害物質を排出していた。これによりヨーロッパの自動車メーカー各社は当時注力していたクリーンディーゼル技術からシフトし、一斉にEV化を進めることになった。