「三菱デリカミニは本当によくできている」スズキの開発者がライバル車を絶賛するワケ

軽自動車「スペーシア」の派生モデル、「スペーシアギア」が大人気です。前回記事で触れた通り、スペーシアギアは開発陣が悩み抜いた末にたどり着いた「SUV風軽スーパーハイトワゴン」という新しいカテゴリーを切り開いたクルマでした。ライバル社のあのクルマ、社内にはそのクルマ……チーフエンジニアにしてみれば、スペーシアは競合だらけ。スペーシアギアでは、何としても新しいコンセプトを実現させなくてはならなかったのです。しかし、ジムニーという“ガチ”なSUV車を持つスズキにおいて、「SUV“風”」というコンセプトは中途半端ではないか?と社内で強い反対にあったのだそう。スペーシアギアの新しいコンセプトをどうやって説得したのか?フェルさんのインタビューの続きをお送りします。(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)

少し長い休みを、バリ島で過ごしています

 みなさまごきげんよう。
 フェルディナント・ヤマグチでございます。
 今週も明るく楽しくヨタ話からまいりましょう。

 少し長い休みをいただいて、バリ島に来ております。もちろん目的はサーフィンを楽しむためです。いやはやこちらの波はパワーが違う。大波に巻き込まれて初日にリーシュ(流れ止め)が切れてしまい、板が流され岩にブチ当たって破損してしまいました。

「三菱デリカミニは本当によくできている」スズキの開発者がライバル車を絶賛するワケ波、デカいです。うまく乗れれば最高に楽しいですが、巻き込まれると地獄が待っています Photo by Ferdinand Yamaguchi

 見た目はそれほど大きなダメージではありませんが、水を吸うと板が中から腐ってしまう。大事を取って現地で新しい板を購入しました。

「三菱デリカミニは本当によくできている」スズキの開発者がライバル車を絶賛するワケ少し背伸びをして今よりも3インチほど短い板を買いました。うまく乗れると良いのですが…… Photo by F.Y.

ガイドのRoyくんは1日5回の礼拝を欠かさない

 こちらでサーフガイドをお願いしているRoyくん。「明日は4時に出て風向きの良い東海岸へ向かいましょう」とムチャを言う。4時にホテルを出て、居眠りしながら助手席で揺られていると、やおらクルマを止めて、「ちょっとお祈りしてきます」と礼拝所へ。

「三菱デリカミニは本当によくできている」スズキの開発者がライバル車を絶賛するワケ午前5時。急にクルマを止めると…… Photo by F.Y.
「三菱デリカミニは本当によくできている」スズキの開発者がライバル車を絶賛するワケ「10分だけ待っていて」と、私を置いてスタスタ歩いていってしまいました Photo by F.Y.

 敬虔なムスリムの彼は、日に5回のサラート(礼拝)を欠かさない。サーフガイド中であってもそれは変わりません。「一緒に行っちゃダメなの?」「外から見るのは良いけど、イスラム教徒じゃないと中には入れないよ」と。

「三菱デリカミニは本当によくできている」スズキの開発者がライバル車を絶賛するワケ沐浴を済ませると礼拝場がある2階へ向かいます。宗教を持つ人は強いです Photo by F.Y.

 ということで本編へとまいりましょう。絶好調のスズキ スペーシアギアの開発者インタビュー続編です。