スーパーカー消しゴム大ヒットの後に

先代:そもそも始めたのは兄なんですよ。鍬形勝三さん。鍬形加工(※現・株式会社クワガタ)という会社が浅草にあってバンダイさんの仕事を請け負ってた。キン肉マンだとかウルトラマンだとかアラレちゃんだとかね。そういうキャラクターものの生産管理をしていたんですけど、うちはその製造部門なんです。
鍬形加工の方で初めて作ったのはスーパーカーじゃないか。スーパーカー消しゴムが大ヒットしちゃって。バンダイから今度はキャラクターもやってくんないかといって。

――カプセルトイの――カプセルのおもちゃってずっとあったんですね。
鍬形孝一氏(以下、孝一さん):元々はアメリカから入ってきたんですよね。それを輸入してきた。
先代:流行ったのはウルトラマンのカプセル怪獣ですよね。20円のカプセルの、ちっちゃいのね。バンダイだけじゃなくてコスモスとかいろんな会社があって。
――消しゴムって言われてますけど消えないんですよね?
先代:消えないですね(笑)。これはスーパーカー(消しゴム)のときから消しゴムって言ってたんですよね。スーパーカーはね、鍬形勝三が最初に考えたんですよね(※)。それで金型作って。昔はなんとも言われなかったけど、今は車のメーカーに行って許可もらわないと作れないからね(笑)。
※メーカーもいくつかあり、どこが最初かは確証がとれない。スーパーカー消しゴムやキン消しは消しゴムと同じ成分から作られているが、造形を優先させるために、塩ビを柔らかくする成分(可塑剤)の量が少ない。この成分は字を消す役割もはたすので、キン消しでは字が消えない(にくい)。