
町工場でお茶でも飲みながら一番忙しかったころの話を聞かせてもらいたい。そんな願いを叶えてもらったのはキン消しを製造していた株式会社おれんじ。前回は1カ月に1800万体を外注含めて寝ずに作っていて、車に轢かれても作っていたという話を聞いた。今回は、工場で人気のおやつを紹介してもらった。(フリーライター 大北栄人)
バッファローマンといえば「忙しい」
――キン肉マン消しゴム以外の他のキャラクター商品の時も大変だったんですか?
先代 アラレちゃんの時はすごかったですねえ。営業のやつが、お店に行って120個補充しますよね。そしたら1時間もたたないうちに電話かかってきて「子どもたちがわんさかわんさか来て売り切れちゃって空なんです!すぐに補充に来てください!」って。あんな売れるものはなかったですよ。
――「キン消し」当時は40歳頃ですよね。覚えてるキャラクターとかいらっしゃいますか。
先代 うーん……サンシャインだとかね。
――サンシャイン(笑)、ありましたありました。
先代 バッファローマンの時は忙しかったから、よく覚えてますねえ。


――ははは、バッファローマンといえば「忙しい」なんですね(笑)。キン肉マンはいつ頃まで作っていたんですか?
先代 5、6年は続いたかな。海外に輸出するようになったからね。キン肉マンの後は聖闘士星矢があったりガンダムがあったり。ガンダムを小さくしたSDガンダムというのもやってましたね。
バンダイにいた佐々野※ていうのが「SDガンダム作ったら絶対売れるから」って言うんだよ。「おれんじさんも24時間ずっと機械動くぐらい忙しくなるよ」って。
――えーっ、すごい。私は当時小学生で、ガンダムも知らなかったのにSDガンダムのファンになりました。あんなのよく思いつきますよね。
先代 佐々野っていうのはアイデアマンでね。聖闘士星矢のセル画というのもヒットさせてましたから。
※元バンダイの名物社員:佐々野雅哉氏のXではSDガンダム誕生秘話を記したブログが紹介されている。同じく二頭身の『魔神英雄伝ワタル』マシンコレクションの影響があるそうだ。