「スマホを見ていたらあっという間に2時間経ってた…」「あっという間に1日が過ぎていく」。スマホやSNSが蔓延っている今、そう感じたことはありませんか?
『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』の発売を記念して、年間200冊を手がけることもあるほど超人気かつ超多忙なデザイナーであり、著書『時間のデザイン』も刊行された井上新八さんに、特別に話を聞いた。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

元グーグル社員が考案した「スマホ依存を撲滅する」意外な方法Photo: Adobe Stock

Q.集中したいのに、誘惑に負けてしまいます。

「今日はこれをやらなきゃ」と思って集中したいのに、ついスマホやSNSを見てしまいます。気づいたらスマホを見ていただけで2時間が経っているようなことばかりです。スマホ依存から抜け出すコツはありますか?

仕事中にスマホを触らないためのコツ

井上新八氏(以下、井上氏) ぼくは基本、仕事中はほとんどスマホを触りません。

――スマホは手元に置かないんですか?

井上氏 普通に机の横に置いています。でも、見ないんですよね。

 通知も切っていないので、連絡がきたら通知は鳴ります。ですが、通知がきても反応しないことがほとんどです。

――すごっ! 私なんか通知を見ようとしただけで、気づいたら2時間くらい経ってたことがあるのに……。なにかコツがあるんですか?

井上氏 そんなに特別なことはしていません。ぼくの場合、「スマホを触る時間」を決めているだけです。

 スマホを触っていいのは、仕事前と仕事後だけにしています。

 スマホを触る時間を事前に決めてしまえば、自分が不必要に触ってしまう確率も減ると思いますね。

通知をオフにする

井上氏 ですが、他にもスマホ依存から抜け出すコツはあると思います。

 ぼくが実践している方法と、『とっぱらう』にある「通知をオフにする」という戦術は、形は違えど、結果的に似たような効果があるのかなと思います。しかも、これって元グーグル社員らしからぬ方法で面白いんですよね。

戦術:「通知」をオフにする
 通知は味方なんかじゃない。あいつらはノンストップの注意泥棒だ。「気が散らないiPhone」を試さない人も、最低限、ほとんどすべての通知をオフにしてほしい。
 やり方は次のとおり。

①スマホの設定を開き、通知機能を利用できるアプリの一覧を探し、一つひとつ「オフ」にする。
②カレンダーのリマインド機能やショートメッセージの着信など、本当に重要で役に立つと思えるものだけを残す。
③メールとチャットアプリ〔LINEなど〕の着信通知は必ずオフにする。実際には、ほとんどの場合、通知がなくても困らない。
④新しく入れたアプリが「通知を許可しますか?」と聞いてきたら、必ず「いいえ」を選ぶ。そして、48時間か1週間試して様子を見る。

――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

――確かに、「スマホ依存にさせなきゃいけない人」がそれに抗おうとしているのは面白いですよね(笑)。

井上氏 大事なのは「仕事中は触らない」というルールを作ること。

 ぼくが実際にやっていることと、『とっぱらう』の戦術は内容は違いますが、結果的に同じく集中を保てていて、スマホ依存から距離を置くことができていると思います。

元グーグル社員が考案した「スマホ依存を撲滅する」意外な方法井上新八(いのうえ・しんぱち)
1973年、東京生まれ。和光大学在学中に独学でブックデザイン業を始める。大学卒業後は新聞社で編集者として働き、2001年にフリーランスのブックデザイナーとして独立。年間200冊近くの本をデザインしている。担当した書籍は『覚悟の磨き方』『自分とか、ないから。』(サンクチュアリ出版)『運動脳』(サンマーク出版)など多数。著書の最新刊は『時間のデザイン』(サンクチュアリ出版)。
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