▼AIが得意なこと1――大量データの高速処理と分析

 人間なら何時間、場合によっては何日もかかるような膨大なデータの処理や分析を、AIはごく短時間でこなす。市場調査のデータ分析、顧客データのパターン抽出、科学技術計算などはAIの独壇場といえる。すでに調査分析で活用している人も少なくないだろう。

▼AIが得意なこと2――パターン認識

 画像、音声、テキストデータの中から特定のパターンを見つけ出す能力に長けている。顔認証システム、音声認識による文字起こし、スパムメールのフィルタリングなどは、この能力を活用した代表例だ。

▼AIが得意なこと3――文章生成・要約・翻訳

 大量のテキストデータを学習することで、人間が書いたような自然な文章を作成したり、長文を要約したり、異なる言語間で翻訳したりできる。メールのドラフト作成、議事録の要約、多言語対応のカスタマーサポートなどで威力を発揮するだろう。翻訳に活用したければ、数百ページ以上ある外国語のドキュメントもあっという間に下訳してくれる。

▼AIが得意なこと4――単純作業・定型業務の自動化

 ルールが決まっている繰り返し作業や、手順が明確な業務を自動化することにも適している。データ入力、定型レポートの作成、請求書処理などをAIに任せることで、人間はより付加価値の高い業務に集中できることはすでに述べてきた通りだ。

▼AIが得意なこと5――予測・最適化

 過去のデータに基づいて未来の傾向を予測したり、複雑な条件から最適な解を見つけ出したりしてくれる。需要予測、サプライチェーンの最適化、株価予測モデルなどへの活用がその代表例だ。もちろん限界はあり、株価予測などのアプリにAIが取り入れられてきているが、それで自動的に利益が出続けるということは当然ない。

▼AIが得意なこと6――アイデアの壁打ち・発想支援

 既存の情報を組み合わせて新しいアイデアの種を提示したり、多角的な視点を提供したりできるため、人間の創造性を刺激するパートナーにもなる。企画のブレストや、キャッチコピーの提案などでも役立つ。考えが煮詰まってしまったときの相談相手になってくれる。

 AIを使いこなす人は、業務を丸投げするのではなく、これらの得意分野を自身の業務に巧みに取り入れる。

 たとえば、新しい企画を立案する際、まずはAIに市場調査データの分析とトレンドの洗い出しを指示し、次に調査結果を基にAIを相手にブレストを行う。

 アイデアの選択肢を広げ、やがて企画の方向性が固まったら、プレゼン資料の構成案作成や、説得力のあるデータ提示方法についてAIにアドバイスを求めるだろう。資料のドラフトをAIに手伝ってもらったり、プレゼンに取り入れるイラストやチャートのドラフトを考えてもらったりするのもアリだろう。