AIに仕事が奪われる時代……それでもこの先、絶対に人間の作業が必要になる業務とは何か?写真はイメージです Photo:PIXTA

文章、イラスト、写真、映像、音楽など、クリエイティブな分野でも一気に広がりを見せる生成AI。従来の仕事が奪われるリスクを懸念する声も多いが、逆にチャンスが増える可能性もあるのだという。AIを上手く活用してキャリアを広げるヒントをキャリアアドバイザーが解説する。※本稿は、高村祐規子『50代ひとりでも一生お金に困らない「手に職」選び』(WAVE出版)の一部を抜粋・編集したものです。

イラストレーターや俳優も
AIに仕事を奪われていく

「クリエイティブな仕事なら、AIには取って代わられないはず」と思っている方もいるかもしれません。でも、油断は禁物です。

 数年前、「日本のアニメ業界は給料が安いけれど、中国に行けば日本の3倍の給料がもらえる」と多くのアニメーターが中国へと移っていきました。ところが、最近はその中国で、アニメーターが失業しはじめているのです。作画の仕事がAIに奪われつつあるというわけです。

「この人にお願いしたい!」と指名されるくらいの著名なイラストレーターなら問題はないかもしれません。けれど、ちょっとした挿絵やイメージイラストなら?今や、AIが描いたイラストは人間が描いたものと見分けがつかないほどのクオリティになってきていますから、わざわざイラストレーターに発注するよりAIを利用してつくったほうが安くあがります。それに、何より楽と考える人も多いでしょう。

 このように、実は多くのイラストレーターが失業の危機に直面しているのです。アメリカのハリウッドでは、声優や俳優、脚本家がAIに仕事を侵害されないことを求めて118日間のストライキを行いました。主役級以外の役では、一度写真を撮ったら生成AIで加工していろいろな場面に使うことができるからです。つまり、本人は撮影に参加しなくても、スクリーンに登場させることが可能というわけです。エキストラやちょい役が不要になりつつあるわけですね。

 ここからわかるのは、誰でもできるレベルの仕事は今後AIに取って代わられる可能性が高いということ。「この人に頼みたい」という仕事だけが残っていくのです。

AIに任せられないのは
最終チェックという業務

 AI化によって、人間に求められる仕事の内容も変わってきます。