高齢になると知らないうちに、骨状態が変化して、軟骨も減少して、そこに疼痛が生じます。驚きましたか。この変化を見ると、早く対策をとりたくなるでしょう。
この骨変性を予防するには、骨に重力や筋力の刺激をしっかりと与えること、けがなどの外傷に気をつけること、軟骨が擦り減らないように正しい姿勢で関節を傷めないように生活することが重要です。
異常な骨形成を予防するには、筋力増強に加えて、関節可動域を正常域に保つストレッチ運動を50歳代から開始することが必要です。
これらのストレッチ運動は大変身体が気持ちよくなるので、覚えてしまうと寝る前に習慣化できて、毎日が癒やしの時間になります。きっと、身体の変化を実感できると思います。
転んで骨が折れても
また元気に歩けるようになる
加齢性の骨変化で代表的なものは、骨粗鬆症、変形性関節症、変形性脊椎症による脊柱管狭窄症です。
まず骨粗鬆症は閉経、病気、内服薬、家族歴、生活環境などで生じますが、当然、加齢で進行します。
その病態を説明します。50歳を越えると徐々に骨密度が低下し、骨のコラーゲンの構造が変化して骨の強度が低下します。
特に、女性は閉経とともにエストロゲンの分泌が減少するので、骨吸収のスピードが骨形成を上回ってしまい、骨密度が低下することになります。
このため、ちょっとした転倒などで、脊椎の圧迫骨折や大腿骨近位部骨折、前腕遠位端骨折が起こりやすくなるのです。
一度、高齢になって骨折をおこすと、骨変性や骨粗鬆症が二次的に進行するので、骨折後はサコーメソッド(編集部注/筆者の名前、酒向をもじった筋トレメソッド)を開始するいいチャンスです。
しかし、動けなくなった時は、手術を含めた急性期治療とリハビリテーション治療が必須になります。ここを怠ると、その後も動けなくなってしまいます。
リハビリテーション治療で歩けるようになれば、サコーメソッドで身体づくりを継続することが、再発予防になります。