<AIの回答>

 まず、本来のお題「新品のタオルが洗濯を100回した程度でダメになっていく」の目標を10倍高めたお題を考えます。これは、「新品のタオルが洗濯を1000回しても品質が落ちない」状態を目指すことになります。

 次に、この目標が実現している状態を7つ連想します。

1.高耐久性の素材使用:タオルが1000回の洗濯に耐えるためには、耐久性に優れた素材の使用が必須です。
2.洗濯技術の革新:タオルを傷めずに洗浄する新しい洗濯技術や洗剤が開発されている。
3.自己修復機能:タオル自体が傷みを感知し、自己修復する能力を持っている。
4.環境適応性:さまざまな水質や温度で洗濯しても品質が落ちないタオルが存在する。
5.再生可能なタオル:使用後のタオルがリサイクルされ、新しいタオルとして再生されるサイクルが確立している。
6.カスタマイズ可能性:使用者の好みや用途に応じて、耐久性のレベルをカスタマイズできるタオル。
7.スマートメンテナンス:タオルの状態を監視し、必要なメンテナンスをアドバイスするスマートデバイスの普及。

 これらの状態を踏まえて、「魅力的で、実行しやすいアイデア」を提案します。

耐久性向上素材の開発:新しい繊維技術を駆使して、洗濯に強い素材の開発に注力する。
エコ洗剤とのコラボレーション:タオルを傷めない環境に優しい洗剤を開発し、それを使用することでタオルの寿命を延ばす。
自己修復機能の研究:ナノテクノロジーやバイオテクノロジーを活用して、自己修復するタオルの開発。
水質・温度適応技術の導入:さまざまな環境で使用できるように、タオルの素材を工夫する。
リサイクルプログラムの立ち上げ:使用済みのタオルを集めてリサイクルし、新しい製品として再生させるプログラムを提案する。
カスタマイズサービスの提供:オンラインで耐久性のレベルを選択できるカスタマイズサービスを展開する。
スマートタオルケアアプリの開発:タオルの状態を監視し、最適な洗濯方法を提案するアプリケーションの開発。

 これらのアイデアは、タオルの耐久性を大幅に向上させることを目指しており、環境への配慮やユーザーの利便性も考慮しています。

 回答の範囲としては、繊維、洗剤、洗い方の高度化、それから、概念としての長期使用を実現するリサイクルの案。10倍高い目標から引き戻して考えると、タオル単体で叶えるというよりも、洗剤や洗濯機も含めた広い範囲で考えるとベターかもしれません。「1000回タオルと専用洗濯機」みたいに。

 自己修復という視点にはかなり興味を惹かれました。タオルが出してしまう綿ぼこりが、タオルを痩せさせていく要因だと言われます。綿ぼこりをタオルに戻せたり、綿花をこすりつけてふっくらとさせられる技術が確立できたら、面白いアイデアになりそう。

 ただ、どうやって実現するのか。AIもこの時点では概念的な提案だけで、具体策は(まだ)考えていないと思います。AIからの回答を引用しつつ、それもAIに聞いてみましょう。

<AIへの質問>
「自己修復機能の研究:ナノテクノロジーやバイオテクノロジーを活用して、自己修復するタオルの開発」について、現有の技術や素材でできるアイデアと、今はないけれどこんな新技術が登場すれば可能になるというアイデアを示してください。

 なお、AI回答の一部にフォーカスして再度聞きたい場合は、該当部分をそのままコピー&ペーストして使えばOKです。

<AIの回答>

 現有の技術や素材でできるアイデア

・マイクロカプセル技術の利用:マイクロカプセルに修復材料を封じ込め、タオルの繊維に組み込む。このカプセルは、タオルが損傷した際に破裂し、修復材料が損傷部分に作用して補修する。この技術はすでに一部のテキスタイル製品で採用されており、タオルへの応用も可能です。


バイオコーティング:特定の耐久性を持つバクテリアや酵母を使用して繊維をコーティングし、小さな損傷を修復する。これらの微生物は、繊維の損傷部分に定着し、成長することで穴や裂け目を自然に埋めることが可能です。

 今はないけれど将来的に可能になる新技術のアイデア

ナノロボットによる修復:将来的には、ナノスケールのロボット(ナノロボット)を開発し、これらをタオルの繊維に組み込むことが考えられます。これらのナノロボットは、繊維の損傷をリアルタイムで検出し、直接修復作業を行うことができるようになるかもしれません。ナノロボットは、損傷部分に必要な材料を運搬し、繊維の再結合や補強を行うことが想定されます。

・DNAベースの自己修復システム:生物学的なメカニズムを模倣した、DNAベースの自己修復システムの開発も将来的には可能になるかもしれません。この技術では、特定の条件下(たとえば、水分、温度、光など)で活性化するDNA配列を用いて、繊維の損傷部分を「癒合」させる。これは、生物学的なプロセスを応用した非常に革新的なアプローチで、長期的な研究と開発が必要です。

 これらのアイデアは、現在の技術の延長線上にあるものと、将来的に実現可能になるかもしれない先進的な技術に分かれています。マイクロカプセル技術やバイオコーティングは、既存の技術を応用して比較的短期間で実現可能なものです。一方で、ナノロボットやDNAベースの自己修復システムは、長期的な研究と開発を要するものの、タオルをはじめとするテキスタイル製品の耐久性と機能性を革新的に高める可能性を秘めています。

 メーカーが行う商品開発では、企画・マーケティング系と研究系の部門部署間で議論が行われていますが、多くの企業では「現状の技術でできることは何だろう?」という議論に終始しがちです。また企画畑からの発言は、技術側から「そんなの無理」と一蹴されてしまうことも多いようです。

 それが、こうして10倍の高いハードルをかなえる状態から引き戻して考えることで、通常は思いつかない切り口が生まれてきます。

「こんな技術はないかしら?」とAIが提案したアイデアを企画側が持ち込むことで、建設的な商品開発が行われるかもしれません。それが、メーカー各社でイノベーション創出のお手伝いをしている私の願望でもあります。

 技法その2「10倍の目標」、ぜひ活用してみてください。

(本稿は、書籍『AIを使って考えるための全技術』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。この他にも書籍では、AIを使って思考の質を高める56の方法を紹介しています)