電子部品写真はイメージです Photo:PIXTA

デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。足元ではトランプ関税も、企業にとって大きな試練となりそうだ。本連載では、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する。今回は、ニデック、村田製作所、京セラ、TDKの「電子部品」業界4社について解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)

3社で前年同期比減収
ニデックは決算発表を延期

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比の増収率を算出した。対象とするのは以下の電子部品業界4社で、対象期間は2025年4~6月期の四半期である。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・ニデック
 増収率:▲1.6%(四半期の売上高6378億円 ※速報値)

・村田製作所
 増収率:▲1.3%(四半期の売上高4161億円)

・京セラ
 増収率:▲4.2%(四半期の売上高4780億円)

・TDK
 増収率:3.3%(四半期の売上高5357億円)

 電子部品業界の四半期増収率を見ると、ニデック、村田製作所、京セラの3社が前年同期比でマイナスとなり、TDKだけプラスとなった。

 ニデックについては25年7月24日、「26年3月期第1四半期決算短信の開示が四半期末後45日を超える」と発表した。本稿執筆時点で実績値は発表されていないため、四半期の決算数値は速報値となっている。

 なぜ3社は減収してしまう一方で、TDKだけ増収を達成できたのか。また、ニデックに何が起こっているのか。次ページ以降で詳しく解説する。