県内総生産の拡大など
好調な沖縄経済も寄与

 沖縄県の「令和6年度本県経済の見通し」によると、県内の総人口は2021年度(実績)と2024年度(見通し)はほぼ同じ146万人だ。だが、就業者数は2021年度の74万人から2024年度は76万人に2.7%増加し、完全失業率は逆に2021年度の3.6%から2024年度は3.0%に低下した。県内総生産は21年度の4兆3739億円から、2024年度は4兆8929万円に拡大し、沖縄県の経済活動が活発なことを裏付ける。

 だが、同じマーケットでは必ず競合(奪い合い)が出現する。チェーンストアでも、ドミナント戦略では「1強多弱」が出現しやすい。沖縄銀行がメインバンクとして取引している企業の約4割(39.3%)が増収増益を果たした背景には、地域の景気だけでなく個別の支援が効果をみせたといえる。

 沖縄銀行が参画する「おきなわフィナンシャルグループ」の2025年3月期の連結の当期純利益は前期比26.8%増と大きく伸ばし、3期連続の増収増益となった。メインバンクの企業業績が好調になれば、取引銀行の業績も好調に連動する好事例だ。

 琉球銀行も法人向け貸出残高を2025年3月期は9863億円に伸ばし、貸出金全体の残高は過去最高の2兆円を突破した。

 顧客の紹介や課題解決サポート、事業承継やM&Aに関するコンサルティングなどの取り組みが奏功したといえる。また、観光産業を中心に、好調な県内景気も相乗効果を生み、取引先の業績アップに貢献したようだ。

ランキング3位は
常連の北國銀行

 3位には北國フィナンシャルホールディングス(FHD)の北國銀行が入った。石川県を中心に、富山県や福井県など、北陸を中心に100店舗強を展開する。盤石の営業地盤を築き、2025年のメインバンク調査では、石川県内シェアは54.2%を守った。石川県は2024年1月の能登半島地震で甚大な被害を受けたが、北國FHDは緊急融資対応や復興支援ファンドの設立などで復興に大きな支援を果たした。

 2015年頃からノルマ、営業目標を廃止し、顧客主義の営業戦略に転換している。さらに、グループ内でコンサルティングから実行支援まで取り組み、細やかな支援が取引先の業績にも浸透している。これが2023年から3年連続でトップ3に入った原動力になっている。

 21年と22年のランキングで2連覇した宮崎銀行を除けば、多くの年でランキング上位に顔を出すのは北國銀行と沖縄銀行ぐらいだ。それだけ取引先への支援が継続的に根付いている証しともいえる。