中国東南沿岸部の浙江省で昨年、68歳の男性が地方政府の事務所に押しかけ、もう生活できないと訴えた。近所の住民からいじめられていると主張し、報復すると脅した。この男性には服役歴があった。経済的に困窮し、家族とは疎遠で、近所と頻繁にトラブルを起こしていた。中国当局が言う「五失人員」に当てはまる。それは人生の挫折、投資の失敗、家庭不和、精神疾患、感情の不安定化という、五つの喪失のいずれかを抱えた人のことだ。当局は直ちに行動を開始した。中国共産党が新設した「中央社会工作部」が支援計画を策定。男性の債務返済期限の一部を先延ばしし、カウンセリングなどの支援を提供した。数週間のうちに、地元の社会工作事務所はソーシャルメディアでこの男性の暮らしは「正しい軌道に戻った」と断言した。ただ、詳細は明かさなかった。