ソフトバンクの投手陣にあてはめれば、2024年のパ・リーグ最優秀防御率のタイトルを獲得、先発転向1年目で11勝を挙げたキューバ出身の左腕、リバン・モイネロに匹敵する数字だった。

「これはエグいぞ」「久々にすごいものを見たわ」

 1球ごとに画面に出てくるデータに、スカウト陣は興奮を隠せなかったという。ストレートの回転数の高さは、球の「伸び」がある証拠ともいわれ、回転数は球速に比例すると見られている。つまり、村上の抜群の球質が、その数字で明確に証明されたのだ。

 永井は、村上のポテンシャルを、投手の最高タイトル・沢村賞を3年連続で獲得、2024年からロサンゼルス・ドジャースで活躍する「山本由伸2世」だと表現した。

「みんなで見て、測って、答え合わせができたんです。『ほら、見てみ。やっぱりすごい球を投げとるわ』ってね」