5年間で123%の成長を遂げる

ーー坂上:御社の売上や経常利益などの業績はどのような状況でしょうか。

手塚:過去5年間の売上は86億、87億、90億、98億円、106億です。5年間で約123%の成長ですね。昨年の経常利益は約4億円、経常利益率は約4%となっています。

ーー坂上:堅調に成長していますね。御社がボディビルやウェイトトレーニング向けのジムでNo.1となれた理由、ポイントを3つ教えてください。

手塚:1つ目は、トレーニングが短時間で効率的に行えるような店舗になっていることです。トレーニングで重要なことは、毎日継続して行うこと。今日ハードなトレーニングを行っても、次は来週、では意味がありません。自分のペースで構いませんので、週に4日や5日と頻度を上げてほしい。そのため利便性の高い場所に店舗を構え、来店されたお客様が即座にトレーニングに入れるよう、動線を工夫しています。ロッカールームとトレーニングルームを同じ階に配置するなどですね。普通の方はトレーニングメインの生活ではなく、仕事や家族との時間の合間に行うものです。そのため、短い時間で効率よくできるような店舗づくりには力を入れています。

 2つ目は、運動と栄養を一体化していること。フィットネスに必要な3大要素は「運動」「栄養」「休息」です。どれほどハードなトレーニングを行っても、栄養を取らなければ効果が半減してしまいます。したがって、どの店舗でも栄養を取ることができるラウンジやバーがあります。その場所でプロテインや簡単な食材、ささみなど栄養価が高いものを提供しており、トレーニングの効果を最大限に高めることができるようになっています。

 3つ目は、なんといってもお客様の熱気。もともとアメリカのゴールドジムが熱気につつまれた場所なんですね。かつてアメリカの関係者に「ゴールドジムとは何か」とお聞きしたことがあります。すると「モチベーションだ」と答えられた。トレーニングのモチベーションを保つための環境や空間が、ゴールドジムの本質だ、と。気分があまり乗らなくても、ジムに入れば刺激を受け、やる気が満ちあふれてくる。そのような空間づくりを常に目指しています。

一愛好家として欲しいものを顧客に勧めることが<br />大きな支持につながったゴールドジム内でトレーニングする人々