「ニッチトップ=小さくてもNo.1」の会社をご紹介する本連載。今回はボディビルやトレーニング愛好家から高い評価を得ているフィットネスクラブ、「ゴールドジム」を運営する株式会社THINKフィットネス。ジムの運営にとどまらず、専門誌の出版やトレーニング器具やプロテインの販売など、多くの事業を営む同社代表の手塚栄司氏に、その戦略を聞いた。
株式会社THINKフィットネス
◎この会社のここがNo.1:ボディビルや筋肉トレーニング向けのジムでNo.1
◎事業内容:ジムの運営や機材・プロテイン等の販売、及び雑誌の発行
◎設立:1986年5月1日
◎業績等:売上約106億円、経常利益約4億円、経常利益率約4%、従業員601名(内アルバイト244名)
◎本社:東京都江東区南砂3丁目3番6号
◎ホームページ:http://www.thinkgroup.co.jp/index.html
一人の愛好家としての視点から事業を行う
ーー坂上:株式会社THINKフィットネスの事業内容と、どのような点でNo.1なのか教えてください。
手塚:弊社はフィットネスクラブ「ゴールドジム」の運営を行っています。ゴールドジムとは、ボディビルや筋肉トレーニングを行う方を対象としたジムとなっています。全国に45店舗を展開し、会員数は直営店だけで7万人。本格的なウェイトトレーニング愛好家が集まるジムとしてはNo.1と言えると思います。
他にも、「IRONMAN MAGAZINE」や「Fight&Life」などのウェイトトレーニングや格闘技専門誌の発行、トレーニング機器やプロテインなどの開発、販売も行なっています。すべてがトレーニング愛好家を対象とした事業ですので、3つの事業が相乗効果を生み出せるようになっています。
ーー坂上:なぜジムの運営だけでなく、専門誌の発行やトレーニング機器の販売なども行っているのですか。
手塚:弊社は一愛好家として自分が欲しいと思ったもの、試してみて良かったものをお客様にも紹介する、というスタンスで事業を行っています。専門誌を発行したのは1990年。当時、トレーニングやボディビルの情報は日本にほとんどありませんでした。そこでアメリカのアイアンマン社と契約し、「IRONMAN MAGAZINE」を日本語訳して出版することにしました。トレーニング機器やプロテインの販売を始めたのは1986年です。
創業当時は日本にプロテインや海外のトレーニング機器を扱っている店舗が無く、私と同じように欲しいと思っている人がたくさんいるのではないか、と考えたことがきっかけです。
ーー坂上:確かに最近はプロテインも一般的になりましたが、25年前はそうではありませんでした。
手塚:当時、プロテインは通信販売でこっそりと購入するもの、と思われていました。これらを、堂々と購入できるお店をオープンしたのが始まりです。当初はトレーニング機器の方が規模的には大きかったのですが、いつのまにかプロテインなどのサプリメントの売上の方が大きくなりました。
また、弊社では年に2回、社員が欲しいと思う商品を聞き出し、採算が合えば開発する場を設けています。弊社の社員には様々な競技の選手がいますので、社員が欲しいと思ったものを開発し、自信を持ってお客様にお勧めしています。そのため弊社の商品は他社と比べて独特なマニア商品が多いですね。