その決済元として、PayPay銀行の稼働率を高めてもらおうという戦略に見える。SBI新生銀行のほうも、満29歳を迎えた誕生月の翌々月からは、無条件でダイヤモンドステージではなくなる。同ステージに留まるには、他の預金者と同じように、残高や取引条件を満たす必要がある。現状では、SBI証券への口座振替契約があればダイヤモンドステージに留まれるようだ。これも、どこに狙いがあるかわかるだろう。

 ちなみに、SBI新生銀行では60歳以上の口座保有者にも、「Bright 60」という会員サービスへの登録だけでダイヤモンドステージ特典と年0.4%適用が受けられる同じ仕組みがある。こちらは一定の金融資産を保有しているシニア層を集めようという狙いだろう。シニア向けの金融商品を売り出す時には、この会員リストが大いに役立つに違いない。

この先は0.5%を巡る攻防戦か

 見てきた通り、普通預金の金利水準は0.5%が一つの目安になりそうだ。一定期間お金が留まる定期預金とは異なり、本来なら普通預金は流動性が高い生活口座だ。それほど残高を増やす性質のものではないので、たとえ金利を上げても利息の金額自体はさほど大きくはなくてすむ。

 あおぞら銀行の「BANK」を見ると、まさにそう感じる。100万円まで高金利をつけ、それを越えたら今度は定期預金に預け替えてもらいたい。そんな狙いもあるのではないか。

 この先、預金金利がマイナス金利解除前の水準まで下がるとはもはや思えない。高めの金利の普通預金を利用するなら、生活口座とは別に、「いざという時に使う貯蓄」のつもりで、コツコツ資金を入れておくような使い方がいいかもしれない。ATM手数料の無料回数なども比較のうえ、利便性の高い銀行を選んでほしい。

※金利は9月15日現在。全て税引き前