
預金金利が足踏み状態の中、普通預金の高金利が頻発している。しかし、高金利には条件が付きものである。各銀行の内容を見てみよう。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)
普通預金は年0.4%を超え0.5%攻防へ
米トランプ大統領の気まぐれ発言のせいもあり、日本の景気の行方は茫洋としている。見通しがはっきりしないのが、金利の行方だ。政策金利の利上げはいつあるのか。それによって住宅ローンや預金金利など、我々の暮らしも影響を受ける。
特に、順調に上がってきた預金金利は足踏み状態のままだ。夏のボーナスシーズンを対象にした定期預金のキャンペーン金利は、その前の冬と大きく変わらずじまい。次は2025年冬に期待だが、さてどうなるやら。
そんな中、高金利を頻発しているのが普通預金だ。これまでは1年物定期預金の年1%を巡る攻防だったが、次は普通預金のステージが来たとばかりに、年0.4%、あるいは0.5%を巡るしのぎ合いとなっている。高金利には条件が付きもの、銀行それぞれの戦略がそこに透けて見えるが、まずはざっと俯瞰してみるとしよう。
まず、「ネット銀行最高水準」として年0.55%の金利を打ち出したのが、auじぶん銀行。10月1日より、「じぶんプラス」の最上位である“プレミアムステージ”に該当する利用者を対象に、金利優遇プログラム「プレミアム金利優遇」を適用する。
じぶんプラスは、各種残高やサービスの利用状況に応じたステージごとに手数料無料などの特典を受けられるもので、ネット銀行がよく採用している方式だ。プレミアムステージの利用者には、普通預金金利に年0.34%の優遇金利プラスして、合計で0.55%が適用される。KDDIスマホの利用者なら「auマネ活 金利優遇」(後述)が併用できるので、合計すると年0.65%にもなる。