北大西洋条約機構(NATO)加盟国の戦闘機がポーランドの領空でロシアのドローン(無人機)を撃墜し、加盟国の領空で初めてロシアのドローンに対処する事態となった。当局者は、ロシアがNATOの防衛を試そうとしたと主張している。ポーランド当局によると、今回は同国の領空侵犯が19回あり、ウクライナ戦争開始後で初めて国内の主要空港を閉鎖する事態に発展した。ポーランドのドナルド・トゥスク首相は10日、「われわれが開戦の瀬戸際にあると言う理由はないが、一線が越えられ、以前とは比較にならないほど危険になった」と議会で発言。「第2次世界大戦以降で、われわれは公然たる紛争に最も近づいている」と語った。ロシア軍機はこれまでもNATO加盟国の領空に接近、あるいは領空内を飛行し、NATOの反応を試してきた。こうした動きに対し、NATO加盟国は交代で領空を監視している。ロシアの挑発行為は2022年にウクライナに本格的に侵攻してから、ますます大胆になっている。