先週、英国の長期国債利回りが数十年ぶり高水準を記録した。レイチェル・リーブス英財務相は、多額の債務を抱える同国が財政危機に近づいているとの観測を直ちに否定した。多くのエコノミストは英財務相の見方に同意している――今のところは。ただ、先進国が記録的水準の債務を抱え、その借り入れを賄うコストが増え続ける現状では、英国が金融市場の「炭鉱のカナリア」になる可能性がある。つまり米国やフランスのような他の債務国に対し、問題の発生を前触れする有力な指標になるかもしれない、というのだ。「英国だけがこのような状況にあるわけではない」。キャピタル・エコノミクスの英国担当副チーフエコノミスト、ルース・グレゴリー氏はこう述べた。「先進7カ国(G7)の多くに共通するテーマとして、財政危機が起こりうる条件が整っているように見える。とはいえ、危機が差し迫っているとか避けられないということではない」
英は「炭鉱のカナリア」か 債務膨らむ先進諸国
借り入れコスト急増は各国共通の課題、危機再来を警戒する声も
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