睡眠薬代わりのお酒はNG!
睡眠の質を悪化させます

依存症は精神科の分野でも治療が難しい病気の一つです。依存のメカニズムは複雑ですが、「飲まなければいけない」という意識がないのに「欲しくなる」という感覚が、すべての始まりだと私は考えています。

さて、「お酒は不眠に良い」と思っている方がいるかもしれません。実際に「睡眠薬代わりにお酒を飲み始めた」と話す患者さんも多くいらっしゃいます。しかし、これは大きな間違いです。眠れないのであれば、医師に相談のうえで睡眠薬を服用するほうが、お酒に頼るよりもよほど体に良いといえます。

眠れないからお酒を飲むのはNG

お酒を飲むと寝つきは良くなるかもしれませんが、眠り自体は浅くなります。アルコールが体内で分解されると、その過程で「アセトアルデヒド」という有害物質が生じます。

このアセトアルデヒドには覚醒作用があるため、夜中に目が覚めてしまい、そこからまた眠れなくなってしまうのです。結果として、睡眠の質は著しく低下し、かえって不眠の原因になります。

さらに、「お酒がないと眠れない」という状態にも陥りやすく、依存と不眠の悪循環に陥ってしまうので、眠れないからという理由でお酒を飲むのはやめましょう。

晩酌をやめて得られた3つのメリット

晩酌をやめた当初は、少し寝つきが悪いと感じることもありましたが、それにもすぐに慣れました。むしろ、今では質の良い睡眠がとれ、朝もすっきりと起きられるようになりました。晩酌をやめて得られたメリットは以下の通りです。

睡眠の質が向上した
カロリーコントロールが容易になり、体重が減少した
生活リズムが整い、健康になった

このように、晩酌をやめたことは、私の心身の健康に非常に良い影響を与えてくれました。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。