
「会議で人名がすぐに出てこない」「午後に集中力が続かない」。40代を迎えた多くの働き盛りの人が感じ始めるこうした小さな変化は、単なる疲れのせいだけではないかもしれません。「脳の老化」「動脈硬化」「骨粗しょう症」の予防が期待される成分を含む“すごい食材”とレシピを教えてくれるのは、YouTubeチャンネル登録者数64万人をほこる料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんです。(文/関口絢子)
40代に忍び寄る
「老化」という現実
睡眠不足や運動不足、慢性的なストレスに加え、血管の老化(動脈硬化)や心血管リスクの蓄積が、こうした脳機能の変化に関わっている可能性が指摘されています(※1※2)。
実際、血管の硬さ(動脈スティフネス)が「判断力」や「段取り力」といった、日々の業務に直結する実行機能を含む認知機能と関連するという報告もあります(※3)。
さらに、40代以降の健康診断で「血圧高め」「LDLコレステロール高め」と指摘されることが増えるのは自然な経時変化で、動脈硬化は自覚症状がないまま進行することがあります。長く健康に働き続けるためには、血圧・脂質・血糖の管理や禁煙、運動、食事改善といった総合的な一次予防が推奨されます(※4)。
そして、もうひとつ見落とされがちなのが「骨の健康」です。骨量は10〜20代でピークを迎え、その後は誰でも徐々に減少します。40代から低下が始まり、女性では閉経期以降に加速することが知られています。日々の栄養(カルシウム・ビタミンD)と運動、日光浴が将来の骨折リスクを左右します(※5※6)。