料理研究家・管理栄養士の関口絢子さん料理研究家・管理栄養士の関口絢子さん Photo by Wataru Mukai

ビジネスパーソンが体の不調を未然に防ぐことに役立つ「予防メシ」を紹介する連載。第6回のテーマは前回に引き続き「おせち料理」。コロナ禍以降、おせち市場は拡大を続けており、おせちを作るのではなく、買う人が増えていることが伺えます。しかし、「市販のおせち」ならではの健康リスクがある――そう指摘するのはYouTubeチャンネル登録者数61万人をほこる料理研究家で管理栄養士の関口絢子さん。「添加物より危険なモノ」について解説してもらいました。(文/関口絢子)

体調不良を予防して、仕事と私生活の土台をつくる「食材・レシピ」をご紹介する連載「予防メシ」連載をフォローすると新着記事がメールで届くので、読み逃しがなくなります。

栄養豊富な「おせち料理」の
知られざる“弱点”とは

 おせち料理は、バランスの良い食事をするために取り入れたい食材7品目の頭文字からできた食育ワード「ま・ご・わ・や・さ・し・い」の食材が全て摂れる料理です。

 ま(豆)・ご(ごま)・わ(わかめなど海藻)・や(野菜)・さ(魚)・し(椎茸などきのこ)・い(芋類)は、煮しめ、昆布巻き、ブリの照り焼き、紅白なます、栗きんとん、たたきごぼう、田作り、黒豆など、代表的なお節料理を並べただけで全てが取れるので、一見すると栄養面でも優れた料理です。

 おせち料理の代表的な食材と栄養素は、次のようなものがあります。

  • 黒豆:良質なたんぱく質やポリフェノール、ビタミンE、大豆サポニン、イソフラボンなど
  • 田作り:小魚のタンパク質、カルシウム、ミネラルが豊富               
  • 栗きんとん:さつまいも由来の食物繊維やヤラピン、β-カロテン、ビタミンC       
  • たたきごぼう:食物繊維を多く含むほか、タンニンやクロロゲン酸など抗酸化物質など  
  • かまぼこ:魚のすり身で作られているため、魚のたんぱく質を手軽にとることができる  
  • 酢レンコン:レンコンにはタンニンや鉄を多く含み、ビタミンCや食物繊維も豊富    
  • 昆布巻き:昆布には食物繊維、カルシウムなどミネラルが豊富              
  • 煮しめ:野菜や椎茸、こんにゃくなどビタミンやミネラル、食物繊維など微量栄養素が豊富
  • 紅白なます:大根やにんじんの酢の物で、高血圧や血流改善に役立つ酢の効果が期待できる

 などなど、使われている食材を想像すれば毎日でも食べたい健康長寿食と言えるのです。