この研究では、看護師対象研究(NHSおよびNHS II)、医療従事者対象研究(HPFS)という三つのコホート研究の参加者のうち、ベースライン時点で糖尿病や心血管疾患、がんの既往がない20万5107人のデータが解析に用いられた。
調理方法(揚げる、茹でる、焼くなど)も
把握されていた
これらのコホート研究では、最長30年以上にわたり、食習慣や疾患の罹患状況が調査されてきている。食習慣の調査では、ジャガイモや全粒穀物を含む各食品の摂取頻度が把握され、さらにジャガイモの摂取については調理方法(揚げる、茹でる、焼くなど)も把握されていた。
517万5501人年の追跡で2万2299人が2型糖尿病を発症。BMIを含む、2型糖尿病リスクに影響を及ぼし得る因子を調整後、フライドポテトの摂取頻度が週に3回多いごとに、2型糖尿病のリスクが20%高いという有意な関連のあることが明らかになった(ハザード比1.20〔95%信頼区間1.12~1.28〕)。その一方、茹でる、焼くなどの方法で調理されたジャガイモの摂取頻度は、2型糖尿病リスクとの有意な関連が示されなかった。
また、週に3回のフライドポテトの摂取を全粒穀物、例えば全粒粉パスタや全粒粉パンなどに置き換えたとすると、2型糖尿病のリスクが19%(同14~25)低下すると推測された。さらに、フライドポテトを全粒穀物ではない精製穀物に置き換えることでも、糖尿病のリスクが15%(9~21)低下すると推測された。
Willett氏は、「炭水化物の食品が全て同じというわけではなく、さらにジャガイモという同じ食材を使って作られる料理でさえ、全て同じというわけではない。今後の食事関連のガイドライン策定に際しては、この差異に留意することが非常に重要ではないか」と述べている。(HealthDay News 2025年8月7日)
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