マンション羅針盤 管理&売買#11Photo:PIXTA

パワーカップルでなくてもマンションが買いたい!人気庶民派マンションクラスター(マンクラ)である中央区上落合氏が送る、非パワカ向けのマンション購入指南の2回目。予算の決め方や物件の選び方、内見のポイントなどを豊富な経験から指南する。現地調査で役立つ詳細チェックリストも必見だ。(中央区上落合)

月々の支払額から逆算する「真の予算」と50年ローンの使い倒し
月々の支払いを下げ、浮いたキャッシュを運用に

 前回は、狂乱のマンション市況において、非パワーカップル(非パワカ)が戦い抜くための「マインドセット」についてお話ししました。今回はいよいよ「実践編」へと移ります。

 まず、予算設定です。巷で喧伝される年収倍率はすべて忘れてください。重要なのは「月々の手取り」に対して「住居費にいくらまでなら払っても生活が破綻しないか」という、リアルなキャッシュフローの視点です。

 ここで私が強く推奨したい、現代の非パワカ生存戦略における「最強の武器」があります。一部で賛否両論ある、「50年ローン」の活用です。アレルギー反応を示す方も多いでしょう。しかし、感情論を排して「金融商品」としての性質を冷静に分析すれば、これほど理にかなった選択肢はありません。

 35年ローンの月々の返済額を「a」、50年ローンの返済額を「b」とすると、当然ながらa>bが成立します。ここでのポイントは「可逆性」です。

 50年ローンで組んでおいて、余裕があるときに「a(35年相当額)」を支払うこと、つまり繰り上げ返済はいつでも可能です。しかし後から生活が苦しくなったからといって逆のことはできません。つまり「50年→35年」への変更は可能ですが、「35年→50年」への変更は許されません。何が起こるかわからない長い人生だからこそ、最も変化への自由度が高い「50年」を選択し、主導権をこちらが握っておくのが最大のリスクヘッジなのです。

 50年ローンは金利が0.1~0.2%程度高くなるケースが一般的です。しかし、期間を延ばすことで月々の返済額を極限まで下げ、その「差額」をS&P500や全世界株式などのインデックス投資に回してみてください。長期的に金利の上乗せ分を上回る投資パフォーマンスを出すことは、それほど難しい話ではありません。

 そして重要なのは、増えた資産でローンを一括返済することではありません。あえて借金を長く続けることです。手元に現金を残しつつ、団信(団体信用生命保険)という「最強の生命保険」の恩恵を長く受け続ける。これこそが、資本主義社会における賢い生存戦略です。正しい予算設定の上で使うならば、50年ローンは非パワカが資本家に対抗するための、数少ない有効な武器なのです。

 50年ローンという武器を手に入れたとしても、それを無駄な戦い、つまり割高な物件購入に使っては意味がありません。ここからは、失敗しないための「物件選定・5つのステップ」を伝授します。適正予算の算出、候補エリアの絞り込みから現地調査まで、私が実際に1000件以上のマンションを現地調査し、自らも購入するに至った「プロ顔負けの泥臭い物件選定術」を詳細5ステップで「裏ワザ」と共にお伝えします。物件内見で使える50項目の秘伝のチェックリストも開陳します。次ページから詳しく見ていきましょう。