「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

「ホワイトな職場」の“余暇”が不安に変わる
終電までの残業、休日出勤、足りない睡眠時間――
かつて「働きすぎ」は、責任感と情熱の証とされた。そんな過剰な自己犠牲が、「本気で働く姿勢」として美徳とされていた時代が、確かにあった。
しかし働き方改革によって、日本の労働文化は、確実に変わりつつある。長時間労働は是正され、「余白を尊重する働き方」が新たなスタンダードとして定着しつつある。表面的には、それは健全な進化に見える。
けれど――その“余白”は、すべての人にとって心地よいとは限らない。
与えられた余暇が、かえって心のざわめきを呼び起こす。とくに、「優秀な人」にとっては、その空白が、不安や焦りのもとに変わるのだ。
優秀な人ほど「努力の行き先」を見失う
――この働き方の先に、成長はあるのだろうか?
これまで自分を磨き続けてきた人ほど、言葉にならない違和感を、胸の奥にひっそりと抱えている。
この変化に戸惑っているのは、「向上心のある人」だ。
かつては、過密なスケジュールの中で限界を超えたとき、「今日もやり切った」という実感が、確かにあった。
けれど今は違う。業務は整理され、時間は短縮され、効率が何より最優先される。
削ぎ落とされた日常の中で、「追い込みどころ」が見つからない。努力と充実が結びつかないまま、心のどこかが揺れている。
「前より楽になった」はずなのに、「前より空虚になった」ように感じてしまう――そんな違和感が、胸の奥で膨らんでいく。
(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)