
競争社会に生きる私たちは「評価されない仕事に意味はあるのか」などと焦り、本来の目的を見失いがちだ。しかし、禅僧・枡野俊明氏は、目の前のことに誠実に取り組む姿勢こそが、評価や成果につながると説く。競い合いが常の世の中で、自分のペースを保ち続けるコツとは。※本稿は、枡野俊明『感情に振りまわされない―禅の教え42 気にしないコツ』(総合法令出版)の一部を抜粋・編集したものです。
競争社会を生き抜くための「仕事の哲学」
目先の結果に執着せず、一生懸命になる
結果自然成(けっかじねんになる)
目先の結果を求めない。やることを一生懸命にやる。そうすれば、放っておいても結果は自然についてくる。
目先の結果を求めない。やることを一生懸命にやる。そうすれば、放っておいても結果は自然についてくる。
「周りが次々と成功していくのに、自分は何をやってもうまくいかない」
「競争が激化している中で、どうしても他人と比べてしまう」
「上司や同僚からの期待に応えられず、プレッシャーに押し潰されそうだ」
現代社会が競争社会であることは否定できません。誰にでも競争心があり、その競争心が努力へとつながるのは自然なことです。会社で同期社員が営業成績のトップを取ったり、周囲の誰かが成果を上げていたりするのを見ると、このような焦りが生まれるものです。
しかし、この焦りから目先の成果ばかりに執着し、結果だけを追い求めると、本来の大切な部分を見失ってしまいます。
営業職で同期の成績を追いかけるうちに、「売れさえすればいい」と考えてしまったとします。すると、商品のメリットだけを顧客に強調して売り、アフターフォローを怠るようなビジネススタイルになるでしょう。