「大学3年生の子どもが就活うつになってしまいました」子どもの精神を疲弊させる就活。親はどのようなサポートをしたらいいのでしょうか。
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、就活における子どものメンタルケアについて著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

就活は精神を疲弊しやすい
就活ブログを8年間運営する中で、親御さんから「子どもが就活うつになってしまいました」という相談を受けることがありました。
就活うつとは、就活に伴う強いストレスから、不眠・気分の落ち込み・意欲低下が続く状態のことを指します。就活はとにかく精神を疲弊しやすいので、見えないところで就活うつに悩む人は多いです。
なぜ就活は精神を疲弊しやすいのか。
第一に、「不採用=人格否定された気持ちになってしまう」ということです。
就活では「なぜ不採用なのか」という理由を伝えてくれる企業はほとんどありません。
だからこそ、不採用になったときに「全力を尽くして不採用だったら自分に価値はないのかもしれない」と考えてしまう。
実際は、就活は「適性」の問題であり、たとえ東大で優秀な学生でも落ちます。
まずは子どもさんの就活を理解する際に、こういった背景を押さえることが大切ですね。
就活中の子どもに言ってはいけないこと
お子さんとの関わりについて、就活でまず絶対にしてはいけないことがあります。それは、「就活いまどのくらい進んでるの?」「◯◯は大学もいいところ行ってるんだから絶対に大企業に受かるよ」などの言葉でプレッシャーをかけないことです。
よかれと思ってかけた言葉も、子どもにとっては「内定取らないと親が焦ってしまうのかな」「大企業に行かないといけないのかな」と懸念材料になってしまうことがあります。
親がしてあげたいサポートとは?
では就活生の親はどんなサポートをすべきなのでしょうか? 僕がおすすめしているのは、大きく3つです。
・金銭的なサポート
・安心させてあげるサポート
・本人のやる気を遠回しに引き出すサポート
まず第一に、金銭的なサポートは非常に助けになります。アルバイトと就活の両立は大変です。就活がうまくいっていない時はなおさら。特に交通費や就活に必要なアイテムの購入代金をサポートするのはおすすめですね。
次に、安心させてあげる声かけは就活生にとって心の支えになります。具体的には、この記事に書いたような「就活って適性だから、落ちてもいいんだよ」という、本人を認めてあげる言葉をかけることです。
就活は周りの友達がどんどん内定を取ったりと不安になります。味方がいない感覚になってしまう。そこで一番の味方であることを示してあげることが大切です。
そして最後に、本人のやる気を遠回しに引き出すサポートはおすすめです。
僕が小学生の頃、両親が離婚して転校を経験しました。転校先ではいじめを受けたので、本当に辛かった。そんな時に、母親が「少林寺拳法の見学に行ってみない?」と提案してくれました。
そして見学に行くと、とにかく迫力がありました。そこから少林寺拳法を習うようになったのですが、この時に僕の母親は「絶対にやりなさい」という提案ではありませんでした。
あくまで「見学に行こう」という提案です。やることを決めたのは自分でした。
就活で言うならば、「就活の本を買ってあげようか? 一緒に本屋とカフェにでも行こう」と提案してみる。
そして、本人が良いなと思った就活本に出会うことができれば、あとは自ら動き出します。
拙書『脇役さんの就活攻略書』は、そんな親と子のつながりになるようにという想いも込めて執筆しました。誇れるような学歴や、面接で特に語れることがないと信じている普通の就活生に向けた本です。
この記事や著書が、1人でも多くの就活生の支えになれることを心から祈っています。