僕の友人に、食品メーカーで一次面接を担当している人がいます。彼が最近面接で出会った就活生に対して、「この人は本当にやる気があるのかな…」と感じた一言があったそうです。
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、面接官がショックを受けた「やる気ゼロ」の一言について著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

新卒 就活Photo: Adobe Stock

思わず言いがちな「やる気ゼロ」の一言

僕の友人に、食品メーカーで一次面接を担当している人がいます。彼が最近面接で出会った就活生に対して、「この人は本当にやる気があるのかな…」と感じた一言があったそうです。

それは、「企業選びの軸はなんですか?」と質問したときのこと。

その就活生は、「プライベートを充実させられる会社かどうか」が最優先の軸と答えました。

もちろん、プライベートを大切にすること自体は間違っていません。ただし、それを面接で最優先事項として語ってしまうと、人事からはマイナス評価につながりかねません。

なぜなら、プライベートの充実はまず仕事で成果を出してこそ得られるものだからです。仕事とプライベート、両方に力を注ぐことで、ようやく本当の意味での「両立」ができるのだと思います。

「仕事よりプライベート」と伝わるのが良くない

ちなみに、僕自身も仕事よりプライベートを重視する考え方を持っています。その理由はシンプルで、プライベートが充実していれば心の余裕が生まれ、結果的に仕事もうまくいくからです。

特に僕はメンタルに左右されやすいタイプなので、私生活が荒れていると仕事に集中できませんし、豊かな発想も出てきません。

だから「プライベート優先派」ではあるのですが、ここで誤解してはいけない点があります。

それは「プライベートが大事だから仕事は適当でいい」という意味ではないということ。

むしろ、仕事にしっかり注力するからこそ効率が高まり、残業を減らし、結果としてプライベートの時間が増えるのです。

だからこそ、企業選びの軸として「プライベートを充実させたい」と答えるのは危険です。

面接官は「まずは仕事で成果を出してから言えることだ」と捉えるからです。

本音でプライベートを重視していても、面接の場では「成長できる環境」や「成果を出すためのサポート体制」など、より前向きに聞こえる軸を話すほうが好印象につながりますよ。

人事に憑依することの重要性

拙書『脇役さんの就活攻略書』では、「人事に憑依する」という言葉を紹介しています。これは僕が就活生のときに、最も大切にしていた選考対策への考え方です。

とにかく人事の立場に立って考えること。

エントリーシートを書いたら、人事の立場に立って「読みやすいかな?」「活躍してくれそうだと思うかな?」「ここの理由が浅いと思われるかな?」と考える。

このあたりは本当に恋愛によく似ていると思います。

誕生日に何をあげるか。自分があげたい物をあげるのではなく、まずは相手が何が欲しいか考えてみること。自分が話したいことを話すのではなく、相手が話したいことに耳を傾けること。

ぜひ人事に憑依して考えてみてください。すると、就活は何倍もうまくいくようになりますから。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです