レバレッジは「時間」を買う行為
では、人生の不確定要素を踏まえた上で、どのように「若さ」という武器を最大限に活かせばよいのでしょうか。
一つの目安は、レバレッジを「未来の自分の購買力を前借りする行為」と捉えることです。20代、30代の投資可能額は限られていますが、10年後、20年後の自分はより多くの収入を得ている可能性が高い。その将来の自分から「時間」という最も貴重な資産を借り、複利の効果を早期に、そして最大限に享受するのです。
鉄壁の守りがあってこその「攻めの投資」
もちろん、これは無謀な賭けを推奨するものではありません。大前提となるのは、生活防衛資金の確保です。
病気や失業など、不測の事態に備える現金(一般的に生活費の半年~1年分)を確保してこそ、心に余裕を持った「攻めの投資」が可能になります。この鉄壁の守りがあって初めて、レバレッジという選択肢が現実味を帯びてくるのです。
リスクを飼いならす「分散」という知恵
さらに、レバレッジ投資のリスクをコントロールする上で欠かせないのが「分散」です。特定の銘柄に集中投資するのではなく、全世界株式やS&P500といったインデックスファンドをコアに据えることで、市場全体の成長を捉えつつ、個別企業のリスクを低減できます。
少額からでも始められるレバレッジ型ETF(上場投資信託)などを組み合わせることで、リスク許容度の範囲内で、資産形成のアクセルを踏むことが可能になるでしょう。
若さとは、失敗から学び、再挑戦できる時間があること。賢明なリスクテイクこそが、未来の自分を助ける最良の戦略となり得るのです。
※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。