「中間管理職の悩みが消えた」
「ハラスメントに配慮して働けるようになった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「改革ごっこリーダー」の特徴
変革を掲げるリーダーが、かえって現場を混乱させてしまうことがあります。
それは、本気の改革ではなく「改革ごっこ」になってしまっているからです。
今回は、現場を疲弊させる「改革ごっこリーダー」の特徴を整理し、組織を守るために何が必要かを考えます。
スローガンだけ立派で、仕組みがない
「変革」「挑戦」「イノベーション」など、耳触りの良い言葉を並べるものの、実際の現場に落ちる仕組みがまるでない。
言葉だけが空中戦になっており、メンバーは、「何をすればいいのか分からない」状態に追い込まれます。
結果、日々の業務との乖離が生まれ、混乱と疲弊を招きます。
数字ではなく「雰囲気」で変化を測ろうとする
「最近、うちの空気どう?」
「なんか変わってきた気がするよね」
といった抽象的な振り返りばかりで、改善の定量評価ができない。
数字で追えない改革は、時間と労力だけが消費され、やがてメンバーの信頼を失っていきます。
改革ごっこリーダーほど、KPIの設計を避けたがります。
「変えること」が目的になっている
改革の本質は、課題の解決や価値の創出にあります。
しかし、改革ごっこリーダーは、「何かを変えること」それ自体に酔ってしまう傾向があります。
結果、不要な手順変更や制度の見直しが連発され、現場はその対応に追われるだけになってしまうのです。
メンバーの信頼を失うだけの「イベント」になる
改革は継続的なプロセスです。
しかし改革ごっこは、キックオフや記念イベント、スローガン刷新など、一時的な「お祭り騒ぎ」で終わるケースがほとんど。
「また何か始めた」
「どうせ続かない」
メンバーにそう思われた時点で、そのリーダーは現場をリードする力を失っています。
真の改革には、地味で泥臭い作業が必要
真に現場を変えるためには、仕組み化、数値化、フィードバックの設計といった地道な仕事が欠かせません。
「地味な積み重ね」を嫌い、「華やかな演出」でごまかそうとするリーダーは、現場を壊すだけです。
「変えたつもり」で終わる改革ごっこではなく、「変わったと評価される」改革を目指すべきです。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計174万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。