「こうあるべき」が口癖の頑固者への処方せん・ベスト1とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「こうあるべき」が口癖の頑固者への処方せん・ベスト1Photo: Adobe Stock

「願望」と「現実」を混同しない方法

「こうなりたい」「こうあるべきだ」という願望は、行動の原動力になります。

 しかし、それを現実と混同してしまうと、状況判断を誤り、行動が空回りする危険があります

 ゆるストイックに生きるためには、願望と現実を冷静に切り分ける姿勢が欠かせません

「願望」が行動を曇らせる

 願望を強く持つこと自体は悪いことではありません。
 ただし、「こうあってほしい」という気持ちが強すぎると、現実を正しく認識できなくなります。

 例えば、「自分の努力は必ず評価されるはずだ」という思い込みがあると、評価されない現実に直面したときに過度な失望や怒りを抱えてしまうのです。

現実を「客観的」に捉える

 願望と現実を混同しないためには、まず事実を冷静に把握することが必要です。

「自分がどうありたいか」ではなく、「実際に何が起きているのか」を明確にする

 そのためにはデータを活用したり、第三者の視点を取り入れたりすることが効果的です。
 客観的な現実認識が、正しい判断の基盤になります

願望を現実に近づける工夫

 現実を受け入れたうえで、願望とのギャップをどう埋めるかを考えることが重要です。

 たとえば、「もっと成果を出したい」という願望があるなら、現状のスキル不足や努力不足を具体的に把握し、小さな改善を積み重ねる。

 願望は現実を否定するものではなく、改善の方向性を示す道標として活用すべきなのです

 願望と現実を混同すると、冷静な判断ができずに行動が空回りします。
 大切なのは、まず現実を客観的に捉え、そのうえで願望とのギャップを小さな積み重ねで埋めていくことです

 現実を拒絶せず、願望を指針として淡々と歩む。
 これが「ゆるストイック」の実践です。
 私たちもまた、願望と現実を切り分け、ゆるストイックに生きましょう

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。