頭の悪い人は「ゼロリスク」を追い求める。じゃあ、頭のいい人はどうするのか。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

頭の悪い人は「ゼロリスク」を追い求める。じゃあ、頭のいい人は?Photo: Adobe Stock

ゼロリスク思考があなたを止める理由

「絶対に失敗したくない」「リスクを完全に排除したい」と考えるのは自然なことです。

 しかし、ゼロリスクを求めすぎる姿勢は、むしろ行動を妨げ、成長の機会を奪います

 変化の激しい現代においては、リスクをゼロにしようとする思考こそが最大のリスクになり得るのです。

ゼロリスクは幻想である

 現実には、リスクを完全に排除することは不可能です。

 新しい挑戦には必ず不確実性が伴い、どれだけ準備をしても失敗の可能性は残ります

 それでもゼロリスクを求める人は、行動を先延ばしにし、結局は何も得られないまま時間を浪費してしまいます。

行動しないことのリスク

 ゼロリスク思考の最大の問題は、「行動しないこと」によって逆に大きなリスクを抱える点です。

 挑戦しなければ失敗もしませんが、同時に成長の機会も得られません。

 周囲が挑戦している間に、自分だけが取り残される
 これは見えにくい形のリスクですが、長期的には致命的です。

許容できるリスクを設定する

 重要なのは、ゼロリスクを追い求めるのではなく「許容できるリスク」を設定することです。

 失敗しても致命傷にはならない範囲で行動を重ねれば、学びを得ながら前進できます。

 リスクを小分けにし、試行を繰り返す
 この姿勢が、現代を生き抜く実践的なリスク管理です。

 ゼロリスク思考は幻想であり、行動を止める大きな要因となります。
 大切なのは、完全な安全を求めるのではなく、許容できる範囲で挑戦を積み重ねることです。

 リスクを恐れず、小さな一歩を淡々と続ける。
 それが「ゆるストイック」の実践です。
 私たちもまた、ゼロリスクの罠から抜け出し、ゆるストイックに生きましょう

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。