鉄道や飛行機などの運輸・交通の世界、工場や病院の現場などでは、人命に関わるようなミスは絶対に再発しないよう、すべての原因をつぶさないといけません。
一方で、業績アップの問題に取り組む際には、一番影響の大きい原因を直すことを課題として抽出すればよいでしょう。東洋医学的に言えば、どこのツボを押せば、体全体がよくなるかを考えます。
ちなみに、今回はCさんが犯人のようなかたちで話を進めましたが、人によって見方は異なります。
『課題解決の思考法「見えていない問題」を発見するアプローチ』(高松康平、日本実業出版社)
実際にAさん、Bさん、Cさんの誰が一番悪いのかを研修で聞いたことがあります(もちろん、問題解決では犯人探しはしません!)。多くのクラスでは、Aさんが1割、Bさんが1割、Cさんが8割選ばれます。
しかし、ある物流企業で研修をした際には、Aさん3割、Bさん5割、Cさんが2割でした。Cさんがルールを守らなくても、Aさんが間違えた商品を取ってしまっても、Bさんが最終チェックの段階で気がつかなくてはいけないという意見が多数出ました。私自身も、これには非常に驚きました。
何が言いたいのかというと、自分のものの見方には何かしらのバイアス(偏り)があるということです。自分にとっての当たり前が正しいとは限りません。
大切なのは、事実ベースで課題を抽出すること。その原因を直せば、問題は解決できるかを疑い深く考えることです。







