第1階層を次のように書くことも可能です。

・担当Aさんがクリスマス商品ではなく、通常商品を取ってしまったので
・ダブルチェック担当のBさんも気づかなかったので
・営業担当のCさんが事前に共有していなかったので

図表:第1階層をAさん、Bさん、Cさんに分けた場合同書より転載 拡大画像表示

因果関係を明らかにするのが
改善のスタートライン

 このように第1階層をAさん、Bさん、Cさんと書き出すこともできます。これは間違いではありませんが、私は推奨しません。

 なぜなら、Cさんの話は、直接の原因ではないからです。ミスが起きた直接の原因となるのは、その商品を取り扱ったAさんとダブルチェックしたBさんです。

 Cさんは、その指示を出す立場であり、商品には直接触れていません。

 また、3人を別々に書いてしまうと、原因のつながりも見えづらくなってしまい、「それぞれがミスをしないように頑張っていこう」という話になる可能性が高いです。

 今回起きたミスが起きた直接の原因は、その商品に直接関わったAさん、Bさんであり、その背景にCさんが依頼内容の変更を共有しなかったことが影響しているというのが因果関係の正しい認識です。

「問題」が起きている背景には、さまざまな「原因」が絡み合っています。

「課題」とは、原因を直し、あるべき姿を実現するために取り組むことです。

・この原因を直せば、問題が解決するのか?

 これが事実ベースで確認できるなら、「この原因を直す」ことが課題であると言えます。

図表:どの原因を直せば問題は解決するのか?同書より転載 拡大画像表示