電話で即バレ!「絶対に部下を持たせてはいけない人」のたった1つの特徴山櫻・市瀬豊和社長

創業94年の老舗・紙製品メーカー山櫻の社長に市瀬豊和氏が就任したのは2004年、41歳の時だ。カリスマ創業者だった祖父が66年間も社長に君臨し、ワンマン体制となっていた会社の改革に乗り出した。またデジタル化がまったく進んでいなかった古い体質を改め、IT化・デジタル化を推進、環境に配慮したエシカル製品の企画・販売にも注力するなど会社を大きく変革した。市瀬社長が考える「よいリーダーになれる人材」の特徴とは?(山櫻代表取締役社長 市瀬豊和、構成/冨田ユウリ)

令和における「よいリーダー」とは
決して偉そうに振る舞う人ではない

 企業経営において、「よいリーダーシップとはなにか」は、常に問われるテーマです。そしてこの答えは、時代によって大きく変化してきました。

 たとえば、かつては人を率いる立場になると、いかに威厳を見せるかが重視されていたように感じます。「俺についてこい」という俺様タイプや、「俺が正しいんだから常に『はい』と答えろ」というような高圧的なタイプが、「強くて頼りがいのある上司」として評価されてきました。

 しかし今の時代、そんな偉そうな上司には、若い部下たちはついていきません。現代の部下たちがついていきたいと思うリーダーとは、論理的に話ができて、どんな人に対しても敬意を払える人。

 年齢や役職にかかわらずそういう人物がチームの中心になり、いくら役職を与えたからといって高圧的な態度の人間のいうことは無視されてしまう、そういう現場を私は幾度となく目にしてきました。令和における「よいリーダー」とは部下が尊敬できるような人であり、決して偉そうに振る舞う人ではないのです。

 ですから、私が社員をマネジャー職にするかどうかの判断をするときも、その人が威張ったり偉そうにしたりする人ではないか、というのは非常に注視しています。ただし、社長である私に向かって偉そうにしてくる人というのは、そうはいません。

 では、社長である私が社員のどこを見て、よいリーダーになれるかどうかを見極めているのか。それは日常の些細(ささい)な行動からでも読み取れるのです。