おにぎりがパリでブーム
日常に欠かせない存在に
その食べ物とは「おにぎり」である。日本では日常に欠かせない存在が、パリではブームとなっている。
ブームを最も象徴しているといえるのが、日本発の「おむすび権米衛」。
パリ・オペラ座の近くと、リパブリックというパリの中心部に二店舗専門店があり、どちらの店舗も日々行列が絶えない。鮭や昆布、梅といった定番に加え、ツナマヨのピリ辛やサーモンクリームチーズ、トマト&オリーブなどフランス人の嗜好に合わせた具材を提供している。
値段は一個あたり2~2.5ユーロとコスパもよい。唐揚げや卵焼きと組み合わせてランチにする人、おやつとして楽しむ人も多く、おにぎりを求める人で常に賑わいを見せている。
「おむすび権米衛」の他にも日本人が経営する専門店は多いが、フランス人が経営する店も増えている。味噌汁や日本茶と組み合わせた「onigiri café」も登場しており、日常的な食の選択肢として浸透している。
スーパーやキオスクでも
おにぎりが販売されている
専門店だけでなく、街中のスーパーにもおにぎりの姿はよく見られる。大手スーパー「モノプリ」では、日本のコンビニ風パッケージに入ったおにぎりがサンドイッチ棚に並ぶ。
海苔とご飯を分けて包み、食べる直前にパリッとした海苔を巻ける仕組み。具材はサーモンマヨやツナマヨのピリ辛、ビーフテリヤキ、アボカド&ごまなど、フランス現地仕様のアレンジで、酢飯が使用されている。価格は1個3.5ユーロ前後で、サンドイッチと同程度。
「フランプリ」や「カルフール」といったその他のスーパーでも、おにぎりは多く販売されている。駅のキオスク的存在「Relay」にも、おにぎりは並んでいる。出勤途中や旅行の際に買い求める人も多く、旅のお供におにぎりを選ぶ姿は珍しくない。
ではパンの国フランスで、なぜおにぎりがこれほど受け入れられたのか。
第一に、健康的であること。おにぎりは低脂質で腹持ちがよく、具材次第でたんぱく質や食物繊維も十分に摂ることができるといわれている。2024年にパリで開催されたオリンピックでも、おにぎりが「健康的」ということは話題となった。