紹介者自身の信用に関わるので
紹介状を持っている人は強い

 紹介状は有効でしょう。なぜかといえば、変な人を紹介すると紹介者自身の信用に関わるからです。

 大学の先生は文科系でも理系でも、企業に対する学生の紹介状は通常1カ所にしか書きません。もし複数枚書いて、ある企業で「採用する」と決めた学生から「すみません、他の企業に決まりました」と言われたら、紹介状を書いた先生の人間性が疑われるからです。

 紹介状には、単なる保証人ではなく連帯保証人の意味があります。「こいつがトラブルを起こしたら私も連帯して責任を負います」という意味だから、紹介状というのは軽々には書かないということも重要です。だからこそ紹介状を持っている人は強い。

 ひと昔前までは大学の先生が別の大学に移る際には、在籍していた大学側が「割愛状」というものを出しました。これは大学側が、余人をもって代えがたい人物だけれど移籍を認める、という内容のものです。この「割愛状」を持っていないと、次の大学は受け入れないという慣習になっていました。

 割愛状を持っていないと相当問題のある人っていうことになるわけだから、かつては「お前こんなんだったら、『割愛』出さねえからな」という脅しにもなったわけです。割愛状も一種の紹介状ですね。やはり紹介状には効力がある。

確実に能力と人間性が分かる
たった1つの質問

 私も飛び込みで、どこかの役所の人や情報関係の人が「会いたい」と言ってきた時には、「あなたと私で共通に知っている人2人を見つけてこられますか。メールでも電話でもいいから、その人からあなたについての話を私に連絡するようにしてください。そしたらあなたと話をしましょう」と言います。

 今までクリアできた人は2人しかいませんが、見極めるには良い方法です。期限は1週間くらいがいいでしょう。そうすると、近しい人間関係なのかもバレてしまう。意地悪いやり方だけど、確実に能力と人間性が分かります。

 それをクリアできるのは本当に100人に1人くらいしかいないから、その100人に1人の人材を見分ける時に有効です。

 ただし優秀な人は採用しても飛び出していく可能性があります。だから動機も重要で、「自分の可能性をもっと試してみたい」という動機の人は、「次に試せるところがあったら、そっちに行くだろうな」と見極めることもできます。

 もめ事を起こすような人には誰も紹介状を書きませんから、紹介状という方法を試せば、社内で何らかのもめ事を起こしたかどうかというのも一発でわかります。ただ、どうしても追い出したい人間に対しては、紹介状を書く場合がある。「得難い人材ですが」などと言って、早くどこか引き取ってくれないかという場合がありますから、その点は注意が必要です。

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