あなたの日常にも眠る
「継続スイッチ」の見つけ方
この「あえて乗り過ごす」という発想は、勉強や運動だけでなく、日々のあらゆる場面で応用できる、自分だけの「継続スイッチ」になります。
重要なのは、行動のハードルを極限まで下げること。「何かを始める」のではなく、「何かをやめる」「何かをズラす」という視点で、ご自身の生活を見直してみてはいかがでしょうか。
「つい、やってしまう」
を逆手に取る環境づくり
例えば、「家に帰るとついソファでだらだらしてしまう」という悩み。これも「だらだらしないぞ!」と意気込むのではなく、「ソファに座らない」仕組みを作ればいいのです。
具体的には、帰宅したらまず部屋着に着替える場所を、ソファのない部屋に設定する。あるいは、カバンや上着を勉強机やキッチンの上に必ず置く、というルールにする。たったこれだけでも、無意識にソファへ向かう足は止まり、次の行動へスムーズに移れます。
小さな強制力が
未来のあなたを助けてくれる
「スマホの誘惑に勝てない」なら、寝る前に充電する場所をベッドから遠いコンセントに変えてみましょう。「ベッドに入ってからスマホをいじらない」と決意するより、「わざわざ起きて取りに行くのが面倒」という気持ちを利用する方が、はるかに簡単で強力です。
このように、自分の「面倒くさい」という感情を先回りして利用することで、意志の力に頼らない自動的な仕組みが完成します。
「完璧」を目指さないから毎日続く
この「やらない」仕組みの最大のメリットは、心身が疲れている日でも実践できる点です。「最寄り駅で降りない」だけなら、どんなに疲れていてもできます。そして一度乗り過ごしてしまえば、歩いて帰るしかありません。
この小さな強制力が、あなたの行動を後押ししてくれます。「毎日完璧に」という呪縛から自分を解放し、「とりあえずやってみる」を積み重ねること。それこそが、やる気に頼らずに目標を達成する、最も賢い方法なのです。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。