株式投資で資産1億円を目標にしている人は多いのではないだろうか。とはいえ、その道は決して平坦ではない。そこで、今回は実際に“億り人”になることに成功した個人投資家・ヘムさんを取材。ヘムさんがどんな株をどんな手法で取引し、成功を手に入れたのかじっくり聞いているので、投資の参考にしてほしい!(ダイヤモンド・ザイ編集部)
雰囲気で何となく買っていたときは資産は増えず……
研究の末に「バリュー(割安株)投資」に切り替えて成功!
50代・経営者のヘムさんは、1998年に300万円の元手で株をスタート。現在の資産は、なんと5億円を超えている。
そんなヘムさんでも、株を始めたばかりのときは「雰囲気で何となく投資をしていて、全然勝てなかった」とのこと。状況を打開するため、ヘムさんは個人投資家のブログや、ベンジャミン・グレアム、ピーター・リンチといったレジェンド投資家の本を次々と読破。その結果、たどりついたのが「バリュー(割安株)投資」だった。
ヘムさんがバリュー投資に舵を切ってから、株式市場では2003年にITバブル崩壊、2008年にリーマン・ショックと、大きな混乱が相次いだ。リーマン・ショックの際は「暴落は買うもの」との信念により、1000万円を追加入金したというヘムさん。それまでの入金分や増えた分と合わせて総投資額は約3000万円になったが、暴落の底は深く、一時は含み損700万円を抱えた。
それでもヘムさんが株をやめなかったのは、投資本で学んだ論拠に基づくと、企業価値に対して株価があまりにも割安だったためだという。
「リーマン・ショックの市場には、PER5倍、PBR0.5倍など超割安なのに、毎年5~10%の利益成長をしている銘柄がゴロゴロありました。企業価値と株価が釣り合っておらず、どう考えてもおかしいと思い、入金して投資を続けました」(ヘムさん)
この結果、株価の復活とともにヘムさんの資産は一転して増え始める。2017年には“億り人”となることに成功。その後も、2018年のVIXショック、2020年のコロナ・ショック、2024年の植田ショック、2025年のトランプショックと、4つの暴落局面で計1億円を入金し、臆さず買い向かったという。
割安株への投資を追求した結果、手持ちには自然と小型株が増えた。「機関投資家が買わないので、割安株には小型株が多い。小型割安株の成績は良好でした」とヘムさんは語る。
ただ、割安株は株価が長期間にわたって割安なまま放置される「バリュートラップ」に陥りやすい。この問題を解決すべく、ヘムさんは2018年頃から、株価上昇のきっかけになる“増配”を重視するように。
「株価は利益成長よりも、配当の成長に強く引っ張られる。また業績が悪化しても、増配していれば株価はそれほど下がらないことに気が付きました」(ヘムさん)
小型割安株に増配という条件をプラスした結果、ヘムさんの成績は飛躍的に向上。資産は5億円超まで膨れ上がった。









