軽い言葉を平仮名にするだけでなく、重く伝えたい言葉の場合、単に漢字にするだけでなく、語を変更する発想もあるのです。
漢字と仮名の使い分けについて、「漢字で書ける語は漢字で書け」とか、「他人と同じ書き方をしておけば間違いない」などと考える人もいます。
しかし、「読みやすさ」という点からは間違っています。
読みやすさを求めることは、読む人がどのように読むかということまで想像することです。それを踏まえて、漢字と仮名のバランスを意識して、読み手のために使い分けること、それが「読みやすさ」の決定的条件なのです。
【参考文献】
佐竹秀雄(1982),各種文章の字種比率,国立国語研究所報告71,『研究報告集 3』
佐竹秀雄・佐竹久仁子(2005),『ことばの表記の教科書』,ベレ出版
佐竹秀雄(2025),漢字と平仮名の使い分けの原則と意義,Japio YEAR BOOK 2025