小林 なぜなら現行のルールを守ることができない道路環境が、たくさん存在しているからです。ルールを守れるような状況をきちんと整備するか、現状に即したルールの変更。どちらかに合わせることが必要だという持論があります。ただし現実には「両方やらなきゃいけない」という提言をしてきました。なぜなら一向に事故が減らないからです。

警察庁資料のスクリーンショット自転車の対歩行者事故は増加傾向にある 警察庁資料のスクリーンショット
警察庁資料のスクリーンショット自転車の重大事故は「歩道」で最も多く発生している 警察庁資料のスクリーンショット


佐藤 たしかに道路環境の整備には時間もお金もかかるわけで、いつまでも待っているわけにはいかないですよね。仮に現場に即したルールに変更したとても、それで事故が減らなかったら意味がないわけですし……。

小林 まずはやれるところからやる。その一方で、青切符の施行と同時並行で、自転車が安全に通行できる環境整備を進めなくてはいけません。縦割り行政の弊害もあって、警察の権限だけですべてはできないので、国土交通省の許可をもらったり、民間の知恵を活用していくことを今一生懸命やってます。警察に国土交通省。地方自治体。官民の協力が必要不可欠です。

佐藤 なるほど。私たち民間人は「国」という単位でまとめがちですが、縦割り行政の弊害もあるのですね。