佐藤 路駐している車の問題や、自転車道の不整備など、自転車が安心安全に移動するためにクリアすべき課題は、まだまだたくさんありそうですよね。

小林 歩行者に対するルールの見直しも必要かもしれません。例えば今のルールだと、歩道にある普通自転車通行指定部分(自転車が通行してもいい歩道)を歩行者も通っていいことになっています。これは世界中で日本だけ。世界では自転車専用(歩行者通行禁止)なんです。歩行者と自転車がごちゃごちゃに通行してるのでは分ける意味がありません。日本特有の島国ルールを改め、世界標準のルールに変えていくべきでしょう。

警察庁資料のスクリーンショット自転車マークのある歩道においても、歩行者が優先であることが書かれている 警察庁資料のスクリーンショット

佐藤 ありがとうございます。それでは最後に、小林さんから読者の方へ「これだけは伝えておきたい」といったメッセージがあればお願いします。

小林 私たちは重大事故を起こす前に、どんな運転が危ないのかを認識して、改善してほしいと考えています。自転車を安全に乗ることができれば、これほど快適で便利な乗り物はありません。健康にもすごくいい。読者の方には「青切符から逃げないで」と伝えたいです。

佐藤 最近だとフードデリバリー大手の出前館が、警視庁の交通総務課の講師を呼んで、青切符導入をふまえた交通安全セミナーを行っていました。法改正の施行まで残り半年……。自転車に関わるすべての人の「意識改革」は急務になりそうですね。私もライターとして、読者の方に有益な情報を発信できるよう頑張ります。

>>「私は青切符導入に全面的には賛成できない」ルールづくりに関わった専門家が指摘する「制度の致命的な欠陥」