
退屈なものが素晴らしく、そして豊かなものになり得る。投資信託と上場投資信託(ETF)への長期投資によるリターンは、まさにそれが当てはまる。
ここで取り上げるのは「インデックスファンドの台頭」だ。個人向け金融の分野ではこの50年ほど、特に興味深いーーそして特に刺激の少ないーートレンドとして、同ファンドが広がりを見せてきた。
個人投資家にとってインデックスファンドは、1928年に投信を購入できるようになって以降で最も持続的・変革的なイノベーション(技術革新)だろう。
1976年に初の個人向けインデックスファンドが設定され、一般の人々にとって投資をよりシンプルで理解しやすいものにするプロセスが始まった。個別株を選定したり、投資判断を下してくれるファンドマネジャーを選んだりする必要はない。S&P500種指数のような、なじみのある名称の「市場全体」を買うだけでよい。
インデックスファンドはまた、ウォール街の秘密の一つを明らかにした。高給取りのファンドマネジャーが運用する高コスト投信のリターンは、長期的には市場全体のリターンをほとんど上回ることがない、ということだ。これに対してインデックスファンドは、少額の手数料を除けば、誰でも市場全体と同等のリターンを得ることができる。現在、手数料は資産額の100分の数パーセントだ。