混雑する駅のホーム写真はイメージです Photo:PIXTA

鉄道トレンド総研の調べによると、通勤通学の電車でイラッとしたことが「ある」と回答した人は実に91.8%にのぼった。具体的には大声での会話やスペースの占拠などが挙げられる。実際に「せき払い」がもとで乗客2人が口論になり、山手線3本が遅延、約2000人に影響した事例もあったという。本記事では、鉄道トレンド総研に寄せられた「割り込み」にまつわるエピソードを教えてもらった。(鉄道トレンド総研所長・鉄道コラムニスト 東 香名子)

91.8%の人が通勤通学の電車で
イラッとしたことがある

 朝から電車に揺られ、疲れた夜に再び電車で帰る。1日の初めと終わりを電車で過ごすビジネスパーソンは少なくないでしょう。そんな日常ルーティンに組み込まれた空間は、少しでも快適に過ごしたいものです。

 しかし、居合わせた他人の行動に思わずイラッとした経験はないでしょうか。

 鉄道トレンド総研が調査したデータによると「通勤通学の電車でイラッとしたことがある」と答えた人は、実に91.8%。ほぼ全ての日本人がイラッとした経験がある、由々しき結果です。ちょっとした事が気になり始めると、移動時間が大きなストレス源となり、せっかくの一日が台無しになってしまいます。

「大声での会話」や
「スペースの占拠」にイライラ

 こうも私たちをイラッとさせる原因は何なのか。調査結果を分析すると、おもに「騒音」「スペースの占拠」などが挙げられました。

 騒音の例として特に多いのが、大声での会話。スマホでの通話はマナー違反として定着し、ほぼ見られなくなりましたが、学生や酔っ払いなど、大声で騒ぐ人たちに私たちは悩まされます。心穏やかに移動したい時間が台無しです。

 またスペースを占拠されることも、イライラを引き起こす原因です。足を組んで前の空間を占拠したり、荷物で座席を占有したりする人など、物理的な空間や快適さが脅かされることに強い不満が寄せられています。

 ほかにも、満員にもかかわらず無理に乗り込んだり、カバンや傘が自分の体に当たったりしているのに気づかないなど、周囲への配慮を欠いた行動が、多くの人の心にイライラを植え付けています。

 こうしたマナー違反に加えて、乗客同士のトラブルも深刻な問題です。どんな些細(ささい)なものでも、電車の遅延を発生させるきっかけとなり、他の乗客のイライラの原因となるものです。

 ニュースを見ていると「こんなことで遅延!?」と驚いてしまうような出来事も散見されます。