「せき払い」で乗客2人が口論
山手線3本が遅延、2000人に影響

 2022年6月某日の朝5時半ごろ、JR山手線の田町―高輪ゲートウェイ駅間の列車内で非常ボタンが押され、緊急停止したそうです。原因は、乗客2人が「せき払いをした」などとして口論となったこと。

 このせいで、山手線の3本が最大47分遅れ、約2000人に影響が出たとのこと。どの程度の「せき払い」なのかはわかりませんが、それがもとで電車の遅延が発生してしまうのは、非常に残念なことです。何気ない「せき払い」でも、誰かの地雷を踏んでいる可能性があるのも、また怖いところです。

 駅や電車は、不特定多数の人が利用する公共の場所です。「ちょっとした思いやり」を心に備えておくだけで、移動時間がぐっと快適になるのは間違いありません。

すっと列の横に立ち
割り込みしようとする50代男性

 乗客同士のトラブルの原因として「割り込み」も挙げられます。多くの人が列に並んでルールを守る中、秩序を無視して我先にと行動する姿は、他の乗客の強いイライラを生み出します。

 こうしたマナー違反を目撃すると、誰もが不快になりますが、なかなか声を上げにくいものです。それに毅然(きぜん)と立ち向かえる人は、ありがたい存在ですよね。

 会社員のAさん(30代)によると、割り込みをする不届き者が成敗される光景を見たと言います。

「仕事を終えたいつもの夕刻、私は池袋駅で急行電車を待っていました。ホームは帰宅中の学生や社会人でごった返し、みんな座って帰るために、黙々と乗車列に並んでいました」

「私が乗る路線では整列乗車を行っていて、電車の到着後、降車ホーム側のドアだけが開いて乗客がみんな降りたら、乗車ホーム側のドアが開いて、乗るという仕組みです。いつものように、私は乗車位置に沿って3列を作って待っていました」

 しかし、そんな静かな秩序が一変します。

「みんな黙々と電車を待っていたのですが、あろうことか、一人の男性が割り込みを図ったんです。50代くらいの、背広が少しくたびれたサラリーマンでした。列の2番目の左横にすっと立ち、微妙に列からはみ出しながらも、電車を待ち始めたんです。あたかも、すでに並んでいる人の連れです、と言った顔で」