
増加する訪日客の数に比例して、駅や列車でのトラブルやマナー違反が気になる人も増えているそうです。鉄道トレンド総研に寄せられたあまりに理不尽なエピソードをもとに、どうすれば良かったのか、JR東海に聞きました。(鉄道トレンド総研所長・鉄道コラムニスト 東 香名子)
増加する訪日客と
マナー違反を気にする声
いつにも増して、駅や電車で見かけるようになった外国人旅行客。
日本政府観光局の統計によれば、2025年8月の訪日外客数は約342万人で、前年同月比では16.9%増。これから日本は過ごしやすい秋シーズンとなり、さらに外国人観光客は増えていきそうです。
増加する訪日客の数に比例して、駅や列車でのトラブルやマナー違反が気になる人も増えているようです。鉄道トレンド総研には下記のような事例が報告されています。
「旅行者と思しき外国人2人がかなりの大声でおしゃべりしていたこと。海外では自己主張の強さを考えれば普通かもしれないが、日本ではNG」(女性/30代/愛知県)
「電車が到着した時に、並んでいる列を無視して先に電車に乗り込んでいく光景を見かけました」(男性/40代/大阪府)
大きな荷物で場所を占拠
新幹線の自由席で起きたこととは?
また、長期旅行に大きな荷物はつきものです。訪日客がスーツケースを複数引いていたり、大きなバックパックを背負っていたりする光景はよく見かけます。駅や電車での荷物の扱いについて、こんな声があがっています。
「大きな荷物で、場所を占拠していて、邪魔だと思った」(女性/50代/大阪府)
「優先座席に荷物を置きっぱなしだったり、1人で複数の席をとっていたりするような状態」(男性/50代/兵庫県)
「旅行客の大きなスーツケースが通路を塞ぎ、そこだけ超満員」(女性/30代/大阪府)
日本での滞在期間が増えるにつれて、荷物が大きくなるのは仕方のないことですが、お互いに理解して、譲りあって利用したいところです。新幹線や特急内でも「荷物で場所を占領されて困った」という声もいくつか聞かれます。
大型の荷物問題で悔しい思いをしたというAさん(50代)は、このように語ります。
「その日、私が乗った新幹線の自由席はそこそこの混み具合でした。空いている席を探して車両を歩いていると、空席と思しき通路側の席を見つけました」