
列車の指定席を購入したにもかかわらず、見知らぬ人が座っていた――。最近、そんなトラブルを経験する人が増えているようです。いざという時、どのように対応すればよいのでしょうか。鉄道トレンド総研に寄せられた事例を見ていきましょう。(鉄道トレンド総研所長・鉄道コラムニスト 東 香名子)
「こっちの席の方がいいから」
他人の席に座る人の言い分
列車の指定席券を買っていったら、すでにそこに人がいた――そんなトラブルが昨今増えているようです。
確実に座れる安心感と快適な移動のために買う「指定席券」。自由席よりも数百円?数千円高いのが相場です。指定席券を買い、いざ自分の席に行ってみると、見知らぬ誰かがすでに座っている。「えええ!?」これは由々しき事態です。
特に混雑する時間帯や列車では、指定席をめぐる乗客間の小さなトラブルが絶えず発生しています。その背景には、故意の不正利用から単純な勘違いまで、さまざまな理由が潜んでいます。
鉄道トレンド総研が調査したところによると、自分の席に別の人がいた経験を持つ人は複数いました。
「自分の席じゃないのに我が物顔で座っている人がよくいます」(男性/30代/埼玉県)
「自分の席に座っている人がいたので声を掛けたら、勝手に『こっちの席の方がいいから』と言われたことがあります。車掌さんに話して代わってもらいました」(女性/30代/岐阜県)
こうした傍若無人に振る舞う迷惑な乗客は、困ったものです。
怪しい動きを見せるおじさんが
スマホで見ていたものとは?
スマホの予約ツールを駆使して、指定席を渡り歩くおじさんを見たというのは、出版社勤務の女性・Aさん(40代)。
「大阪出張から東京に帰る時のこと。仕事が早く終わったので、乗る直前に列車を早めて、新幹線に乗ることにしました。私の席に行くと、すでに背広を着たおじさんが、スマホ動画を見ながらくつろいでいました。私は少しイラッとしましたが、顔に出さず『すいません、ここ私の席なんですけど』と声をかけると、『あっ、すいません』と席を移動しました」
しかし、この直後、男性が不審な動きを見せたといいます。