いい戦略が、いい結果を生む
――なるほど。そんなに国公立大学とMARCHの併願はむずかしいのでしょうか。併願のパターンとしては王道な気がするのですが。
びーやま:王道であるがゆえにむずかしいです。まず、MARCHの併願を余裕で突破できる学力レベルにあるのは上位の国公立大学志望の学生だけです。ほとんどの国公立大学志望は簡単にMARCHに受かるわけではありません。それほどにMARCHの壁は高いです。
ただ、ここにはポイントもあって、中堅レベルの国公立大学志望の学生も、志望校をMARCHに絞ればかなり合格は見えてきます。
つまりは、「国公立大学用の対策7科目+2次試験」と「MARCH3科目対策」の両立がむずかしいだけなんです。
これは以前学生へのインタビューでもわかったことですが、「早めにMARCHに絞っておけばよかった」と答えてくれる国公立大学落ちの学生は結構います。結局は対策の範囲が膨大になりすぎてしまうのが難点なんです。
――ですが、日東駒専でも3科目対策するのは同じなのではないでしょうか。
びーやま:それはそうなんですが、MARCH以上となると独自の対策が必要となるため、国公立大学の対策を応用させづらいケースが多々あります。そのため、併願のハードルが上がるのです。
そのため、国公立大学志望の学生の基礎学力が足りていないというよりは、対策が散漫になってしまって力が発揮されないというのが「MARCH併願」のむずかしさです。
――よく理解できました。お話いただいたことを前提に受験生はどのような戦略を立てていくのがいいのでしょうか。
びーやま:第一志望の国公立大学の対策を最優先に、比較的問題傾向がつかみやすい大学・学部を選ぶのが鉄則です。MARCHの中にも、対策のしやすい大学や学部はたくさんあるので、学校の図書室等で赤本の問題をざっと確認し、対策を最小限に抑えるのは大事な戦略です。
加えて、通学などの問題も解消できそうなら、MARCHの都心キャンパスではなく、郊外のキャンパスを受けるのもかなり有効な策です。立地によってMARCHの入学難易度は大きく変わりますから、キャンパスの場所も考慮するのがいいでしょう。
しかも、地方から出てきて一人暮らしする場合には、郊外のキャンパスのほうが、街が学生街化していて家賃含めて住みやすいことが多いです。
――対策を絞ることが重要なんですね。
びーやま:そういうことです。MARCH併願をやめる必要はないですが、どう組み立てていくのかは非常に大事です。いい戦略はいい結果を生みますから、しっかりと考えていきましょう。
――ありがとうございました。大変勉強になりました。
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。
高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。