リーダーとしての「生きがい」を問い直せ
現在は、取締役代表執行役会長CEOの役職を離れ、シニアアドバイザーになりました。資生堂の次世代を担う経営リーダーを育成する施設「Shiseido Future University」の講師も務めています。経営の第一線から離れても、化粧品の専門店や百貨店等に足繁く通い、現場第一主義で世界中の社員と会話を重ねています。現経営陣にも要請に基づいて助言をし、渉外活動も積極的に行っています。
いま、この立場になって思うことがあります。社内外の若い人たちと話をするときに必ず言っているのは、「みんながリーダーになってほしい」ということです。リーダーとしての自分の生きがいは何か。パーパスとは何かを考えるのです。
異なるバックグランドから、その答えはさまざまでしょう。そこから、何のために仕事をするのかということを問い直していく。それが、自分が属する会社のパーパスと融合すれば、こんなに素晴らしい人生はないんじゃないかと思うのです。そういった生きがいを共有し、社員が一体感を生み出すことが非常に重要だと考えます。
◉構成・まとめ|石澤理香子、久世和彦 ◉撮影|小嶋裕